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NPO法人ジャパンワイルドライフセンター(JWC)は野生動物の保護を目的として設立された野生動物保護団体です。

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動物・環境ニュース

2016/01/28
ヨーロッパに残るシャチを脅かす残存汚染物質
ヨーロッパの海に生息するシャチは、1980年代に使用が禁止されてもなおまだ残る有毒化学物質のために絶滅の危機にあることが、ロンドン動物学協会(ZSL)国際保全基金の行った調査により判明し、Scientific Repotsという雑誌に掲載されました。

 座礁あるいは生体検査をした、1000頭以上のクジラやイルカ、ネズミイルカなどのクジラ目の長期的な研究に基づく今回の調査により、ヨーロッパに生息するシャチやバンドウイルカ、スジイルカの脂肪から、地球上で最も高い濃度のポリ塩化ビフェニル(PCBs)が検出されました。

 PCBsは、電子機器や難燃剤、塗料などを含む製品に以前使用されていた人工化学物質です。高いPCBs濃度にさらされると、クジラ目の免疫機構は弱くなり、流産または新生児の高い死亡率を引き起こして繁殖成功率が著しく低下することが分かっています。

 この研究の主著者でZSLの動物園施設における野生動物専医であるPaul Jepson博士は、以下のように述べました。
「平均寿命が長く海洋性の捕食動物の中で頂点あるいはその付近にいる、シャチやバンドウイルカのような種は海の食物網を通じて蓄積されたPCBsの影響を特に受けやすいのです。禁止令や環境汚染の初期減少はあったものの、PCBsはいまだヨーロッパのクジラ目を苦しめるほど高い濃度で残っています。
 ヨーロッパ西側の海岸には少数ではありますがシャチが残存しています。この個体群は繁殖成功率がほぼゼロになっており、生存し続けるのが難しい状態です。したがって、個々に繁殖成功率が低く汚染されているため、絶滅のリスクが高いのです。解決策を投じなければ、今後何十年にわたってPCBsはシャチや他のイルカの種の個体数を圧迫し続けるでしょう。」

地中海西側とイベリア半島南西など、ヨーロッパ近海は特に世界的なPCBの「*ホットスポット」になっていることが今回の研究で判明しました。この化学物質の濃度は、産業地域や人口密度の高い都会の中心地付近で高いため、ヨーロッパの水質は脆弱になっています。

共著者のRobin Law氏はこう述べました。「今回の研究は、ヨーロッパの象徴的で重要な海洋性捕食動物たちがいなくなってしまう前に、迅速に行動し、PCBsが残す影響に立ち向かう国際的な政策の必要性を明示しています。また我々は、これらの種の食性において、PCB濃度が高くなる様々な経路をよく理解する必要があります。」

*ホットスポット…汚染物質が大気や海洋などに流出したときに、気象や海流の状態によって生じる、とりわけ汚染物質の残留が多くなる地帯のこと。

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2016/01/22
過去20年間で779羽の猛禽類が違法に殺されていることが発覚
RSPBスコットランドが発行した、過去20年に違法に殺された猛禽類についての詳細な記事によると1994年から2014年の間に法によって保護された猛禽類779羽がスコットランドで違法に殺されていたそうです。

合計で468羽が毒殺、173羽が銃殺され、76羽が違法罠にかかり、加えて7羽の銃殺未遂がありました。この被害数の中には、104羽のアカトビ、37羽のイヌワシ、30羽のハイイロチュウヒ、16羽のオオタカ、10羽のオジロワシが含まれています。

RSPBスコットランドの調査スペシャリストチームは、規模、場所、野生生物犯罪方法の記録を綿密に提供するために非常に注意深くスコットランドで20年続く猛禽類の不法殺害を記録し立証しました。
科学的審査が大きな役割を果たした今回の結果は、スコットランドで最も象徴的で絶滅の危機が増大している鳥類への犯罪行為の厳しい影響を示しました。
この調査は政府研究室での事後分析や確実な証言によって犯罪行為に巻き込まれた事件だけを取り扱っています。したがって実際に殺された鳥類の数はもっと多いでしょう。

さらにイエネコ・イヌ各14匹を含む、非猛禽類の毒餌や何らかの毒による被害が171件ありました。被害にあった個体は発見されなかったものの、違法罠の使用等、猛禽類を標的とした企てが134件もありました。 RSPBスコットランドの評価では、過去20年に渡って、ほとんどの事案が鳥猟地域で、特にライチョウのゲームハンティングが行われる高台地域で起こっていると示しました。しかしながら、近年スコットランドの低地帯では、このような事案は減っているという喜ばしい報告もあります。

RSPBのディレクターであるStuart Housden氏はこう述べています。「私たちは、多くの土地所有者やその従業員が猛禽類の積極的な保護、とくにオジロワシとアカトビの再導入計画に力を入れており、大半が合法な狩猟を行っていると認識しています。しかしそれでもなお責任ある行動をしないものが多く、すべての土地経営が法の下に遂行されるまでは猛禽類の保護状況は改善されないでしょう。」

この調査によってスコットランドのイヌワシ、 ハイイロチュウヒ、 ハヤブサなどの違法殺害による影響が科学的根拠にもとづいて証明されました。例えば、直近の国際的なハイイロチュウヒ調査では、2004年から2010年の間にスコットランドで個体数が22%減った事がわかりました。自然保護委員会ハイイロチュウヒ構想2011では違法殺害は、特に南の高台や東の高台にあるライチョウ狩猟地域で重大な影響があると結論付けました。

RSPBスコットランドによる違法殺害の報告は、スコットランドの国際的に重要な猛禽類の個体群のための保護の取り組みを伝えるために、スコットランド政府に確実なデータを提供し、そして、より良い野生動物保護法や警察に対する効果的な強制力や法廷で効果的な抑止力として働く厳しい制裁などの警戒を続ける必要性を再度主張しました。

Stuart Housden氏は以下のように続けました。「私たちは猛禽類を守る法律を改善するためにスコットランド政府が過去20年に渡って行っている方法やスコットランド警察と大法官庁による野生生物犯罪撲滅に対する最近の改善を歓迎しています。しかしながら、私たちのデータは、猛禽類の違法殺害はスコットランドの高台地方の重要な地で大きくなり続いている問題だと示しています。これらの犯罪はスコットランドの自然資源に影響を与え、我々の国際的な評判や、野生生物観光業、多様な郊外ビジネスを徐々に害していきます。」

「ヨーロッパの他国に比べてスコットランドの狩猟産業は「緩い」規制しかなく、公式な責務があまりないのです。自己管理をするための公平な機会は与えられており、また大臣が高台地域において狩猟を行うスポーツマネージャーに対し、何度も公的な忠告を与えていますが気をつけられていません。狩猟産業をライセンス化し、野生生物保護法を順守するような形にしないとならない時期を大幅に過ぎてしまっています。私たちはスポーツ射撃が持続可能な未来を確立するために最善策を学んで取り入れるよう、スコットランド政府が同様の国に対してできるだけ早く猟鳥資格システムの事前計画見直しはじめることを促しています。」
写真:アカトビ

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2016/01/19
なぜ地上最大の霊長類は絶滅したのか
ギガントピテクス(・ブラッキ)という不思議な生物についてはほとんど知られていません。このオランウータンの遠い親戚にあたる種は、立ち上がると約3mあり、270kgもの体重があったそうです。
しかし、最近の研究で、ギガントピテクスは森林にのみ生息し、そこで採食をしていたということが、その食性調査によって示唆されました。10万年前に生息地が減少した際、彼らは生存し子孫を残せるだけの食物を確保することができず、絶滅してしまったのだと、ドイツのテュービンゲン大学の古生物学者であり、研究の共著者であるHerve Bocherens氏は述べました。

【ドラゴンの歯?】
ギガントピテクスについて科学者はほとんど何も知りません。1935年にドイツの古生物学者Gustav vin Koenigswald氏が中国の薬局でギガントピテクスの臼歯を発見したことから、その存在が初めて判明しました。臼歯は「ドラゴンの歯」とラべルが貼られ、伝統的な中国の薬剤師はそれで様々な病気を治すことができると信じていました。
「頭蓋骨がなく、頭より後方の骨もありません。すべてが謎に包まれています。」とBocherens氏はLive Science(科学情報メディア)に述べました。
化石から、ギガントピテクスは少なくとも100万年の間、東南アジア地域にはびこっており、約10万年前に絶滅したと科学者らは考えています。形態学的には、オランウータンと似たような生活をしていたと考えられ、このことはギガントピテクスよりもアフリカに生息するチンパンジーの方がより人間に近いということも示唆されると、Bocherens氏は述べました。

【大きくなり過ぎたパンダ?】
仮説は多々あるものの、この種がどうやって生活し、なぜ絶滅したのか、科学者らはいまだに解明できていません。ギガントピテクスは竹をもっぱら食べていたと主張する人もいますが、ギガントピテクスの大きな臼歯とジャイアントパンダの過剰発育した歯との間に相似はありません。しかしその擦り減りや裂け目具合を見ると、ギガントピテクスは葉や根に混じって果実を主に食べていたことが示唆されると、Bocherens氏は述べました。
もっといい標本を求めて、Bocherens氏とその研究仲間はギガントピクスの歯が最初に発見されたタイにある洞窟で化学分析を実施しました。その洞窟は、オランウータンやシカ、バッファロー、ヤマアラシなど他の動物の化石がたくさん発掘されるダムの近くにあります。
イネ科植物や葉の多い植物はまったく異なる光合成の化学経路を使うこともあり、イネ科植物はC13(炭素に7つの中性子がくっついたもの)のレベルがC12(炭素に6つの中性子がくっついたもの)よりも高くあります。
動物はこれらの植物を食して体内に栄養を溜め込むので、歯や骨に存在するこれら同位体の炭素の比率により食物の化学的特徴がわかります。そして科学者らは、歯のエナメル質にあった炭素同位体の比率からギガントピテクスの食性と生息地を解明することができました。研究チームは現存する大型哺乳類と同様に、タイの化石発掘場で見つかった他の大型哺乳類の食性解析も行いました。

【絶滅の運命】
ギガントピテクスは森林地帯に生息し、採食をしていたことが分かりましたが、同じ洞窟から見つかった他の動物はサバンナと森林両方の食物が混ざっていることが判明しました。
このことから、ギガントピテクスが生きていた時代、東南アジアは森林とサバンナがモザイク状に分布していたことが示唆されました。
よって、ギガントピテクスは広大な草原の近くに生息していましたが、草原近くからは食物を採食していなかったということになります。
「限られた食性と体の大きさが相まって、ギガントピテクスは絶滅した可能性がある。ギガントピテクスにとって森林での生活は唯一の選択肢だったので、森林がなくなると、ほかの生息地を見つけることはできなかったのです。」とBocherens氏は述べました。
更新世には様々な地域で気温低下と干ばつが起こり、広大な森林地帯とギガントピテクスの個体数は減少していきました。約10万年前、急激な寒波が発生したときには、ギガントピテクスが生き残るのに充分な個体数は残っていなかったのだと、科学者らは推測しているようです。
Bocherens氏はこの仮説を支持するように、スマトラ島とボルネオ島の熱帯雨林という東南アジアの小さな生息地に追いやられたオランウータンの「個体数ボトルネック」という同様の説を示しています。しかし、オランウータンはギガントピテクスよりは小さく、果実が豊富でないときに備え、代謝を最低限にすることができるため、生息地である熱帯雨林が少なくなっても個体数を維持することができているのです。ギガントピテクスにはこのような選択肢はなかったのでしょう。
「ギガントピテクスが絶滅した原因はいまだにわかっていません。たくさんの気候変動や寒波、干ばつがおこりました。今回の研究はまだ序盤でしかありません。パズルの新しいピースを入れることができましたが、パズルはまだ全然完成していないのです。」とBocherens氏は述べました。
写真:ギガントピテクスの模型

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2016/01/14
センザンコウの違法取引ブーム(ミャンマー)
ミャンマーではセンザンコウの生体とその肉、鱗の違法取引がブームになっているとTRAFFIC*は雑誌「Global Ecology and Conservation」に掲載しました。特に懸念されるのはモンラ経済特区においての取引であるとTRAFFICは報告しています。
 モンラ朝市を筆者が2006年から2015年の4回の訪問で調査したところ、野生動物を扱う店や野生動物の肉を出すレストランでは鱗42枚、皮膚32枚、ワイン漬けのセンザンコウの一部または胎児、生きたセンザンコウ27匹が売買されており、この街がセンザンコウの違法取引の一大拠点となっていることが分かりました。

 モンラでセンザンコウの取引が始まったのは、そもそもミャンマーからの供給が始まりで、同じようにして近隣国やおそらくアフリカからの供給も開始されました。というのも、アフリカの象牙やサイの角、カバの歯が近年この市場で見られるようになったからです。

 ミャンマーはセンザンコウや他の野生動物の密輸の重要な通過国となっています。モンラは中国との国境であるシャン州にあり、センザンコウの需要が高い中国の市場の要求を満たしています。

 2010年から2014年に、ミャンマーで29件、隣国(タイ、インド、中国)で23件のセンザンコウの差し押さえがあったため、ミャンマーがセンザンコウを密輸あるいは他の国へと密輸する通過点となっていることを示唆しています。報告によると、総計4339kgの鱗、518匹のセンザンコウがこの間に押収されたそうです。

 ミャンマーではセンザンコウの一部でも取引は禁止されています。さらに、アジアのセンザンコウは、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)の附属書Uに挙げられており、国際的な取引は禁止されています。
 
 「野生動物犯罪ネットワークへの継続する需要と横行は、アジアに生息する全4種のセンザンコウを絶滅の淵に追いやっています。この貴重な種が消えないためにも、アジア各国の政府の協力により国境の違法取引を減らす必要があります。」と、CITES東南アジアの代表であるChris R. Shepherd博士は述べました。

 TRAFFICは、センザンコウの違法取引に対処し、国境における違法な野生動物取引を解決するために、ミャンマー政府と地方局が協力するように強く要請しています。

※TRAFFIC:野生生物の取引を監視・調査するNGO
写真:copyright Chris R Shepherd / TRAFFIC

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2015/12/15
「ふちから戻される」イギリスの絶滅危惧生物
Back from the Brinkはスナカナヘビなど、重要な絶滅危惧種を守る方針です。イギリスの最も絶滅しそうな野生生物100種以上に対し、国営宝くじの460万ポンド(約8億4400万円)の救命策が投じられました。

Back from the Brinkはナチュラル・イングランドによって率いられている組合です。ナチュラル・イングランドはハイイロウサギコウモリやセイヨウオキナグサ、スナカナヘビ、チョウの保護団体Duke of Burgundyが保護するチョウなど、重要な絶滅危惧種を絶滅の危機から守っているイギリスの7つの主要保護団体のうちのひとつです。
ナチュラル・イングランド、両性爬虫類保護団体、コウモリ保護団体、バグライフ、マルハナバチ保護団体、チョウ保護団体、プラントライフ、英国王立鳥類保護協会は20種を絶滅から救い、危険にさらされている118種に確かな未来をもたらす、との目標のもとイギリス各地でともに活動を行っています。
ナチュラル・イングランドの革新・改善担当理事長であるMelanie Hughes氏は、このニュースを喜んで受け入れました。「人々が絶滅危惧種の運命を気にかけていると私たちは知っています。このプログラムは地元共同体に対して、その土地やイギリス全土に生息する絶滅危惧種を楽しんで学ぶよう扇動し、その生息地を改善するために彼らがどれだけ積極的な活動ができるかに焦点をおいています。」

「私たちはこのプラグラムが野生生物の状況を変えるものになりうると考えています。私たちはこのプログラムが野生生物の状況を変えるものになりうると考えています。そしてイギリスの絶滅危惧種について学び、保護する人を何千人も得ることでしょう。自国の種の劇的な減少についての認識不足があまりに多く、もし私たちが即座に行動しなければ、取り返しがつかなくなるでしょう。」と、遺産宝くじ基金の管財人であるTom Tew氏は述べました。

このプログラムは2012年の政府生物多様性基本施策がきっかけで、2016年から4年間実行される予定です。地主やコミュニティー、ボランティアという3つの活動要素を併せ持ち、さらにイギリスの絶滅危惧種を享受し感謝する人々と共にイギリス全土30か所以上の地で種を保護する活動を行っていきます。

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2015/12/08
エキゾチックアニマルのペット取引の蔓延(英)
2つの動物福祉団体は政府に対し、エキゾチックアニマルのペット貿易の報告を求めています。不適切で危険と思われる動物がオンラインで広く購入できるという事態が新たな報告で明らかになったからです。

ブルー・クロス・ペットチャリティーとボーン・フリー財団によりまとめられたワン・クリック・アウェイ報告書1では、6つのサイトだけで120種類ものエキゾチックアニマルをオンラインで購入できるという広告が約25,000個もありました。
ハ虫類や珍しい鳥類、霊長類などの動物が売られ、これらの多くはペットとして飼育していると、福祉の問題にひっかかります。オンライン売買ではほとんど、もしくはなんの規制もないため、団体は一般人の安全だけでなく、経験の浅いオーナーが入手できる動物の健康と福祉を懸念し、最新のエキゾチックアニマルの売買に関する法律を理解してほしいと考えています。

新たな飼い主の手元に届いても、その飼い主が動物の健康や問題行動について気づかなかったり、売人は動物が害になる可能性など考えないため、動物の経歴や飼育方法を提供しているのはごく少数の広告のみです。

ブル―・クロス・ペットチャリティーの最高責任者であるSteve Goody氏は以下のように述べました。「今回の報告により、エキゾチックアニマルの貿易が驚くべきスケールで行われており、迅速に対処すべきことが分かりました。経験の浅い人が、このような動物をたくさん飼育することは難しいため、結果的に動物の福祉が侵されてしまうのです。」

英国にはすべてのペット動物の保護基準を示した既存の法(動物保護法(2006年)ペット動物法(1951年)など)はありますが、その適用や施行にはあいまいな点があります。1951年に施行されたペット動物法は、ペットショップでの動物販売に関するもので、インターネットやエキゾチックアニマルが流行する以前から施行されおり、団体も確信をしていたものだったのですが、目的に見合っていないものでした。ブルー・クロス・ペットチャリティーとボーン・フリー財団は、この法が現在の問題に直結し、効果を発揮するよう改正されるのを望んでいます。

ボーン・フリー財団の飼育野生動物プログラム管理者であるChris Draper氏は以下のように述べました。「広告が不正確または不十分で、顧客の複雑なニーズがはっきりしないようなオンラインショップで、購入できるエキゾチックアニマルの数や種類の多さには驚きが隠せません。政府は、エキゾチックアニマルのオンライン購入に関する問題に人々が関心をもつようにペット動物法を改善し、ペット取引で扱われている動物たちにどう適応させていくかを検討していく必要があります。」

国会議員のAngela Smith氏は「今回の報告では、何千ものエキゾチックアニマルが危険な状態にあり、現状を変えていかなければならないことが分かりました。国民がこの重要な問題への関心を高めること、そして政府の議題に組み込むことに尽力を尽くします。」と述べました。

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2015/12/03
南アフリカ裁判官がサイの角取引に関する国内禁止令を解禁
南アフリカのヨハネスブルグ北東から300kmほど、リンポポに位置するエンタベニサファリ保護区の囲まれた土地にたたずむ2匹のシロサイ。
南アフリカには世界個体数の80パーセント、約20000頭のサイが生息する。
殺されたサイの個体数は2007年から昨年までに13頭から1215頭にまで跳ね上がった。

プレトリア(PRETORIA)
南アフリカの裁判官は今週木曜日〔11月26日〕、サイの角取引に関する国内禁止令を解禁しました。保全学者らは、この事態を密猟を加速させる「極度に危険な動き」であると警戒しています。
南アフリカの繁殖家が一時的禁止措置を覆すために法的手続きに出た後、プレトリア最高裁判所は違反だと判決する予定だと政府は言います。
法廷の判決は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(サイテス:CITES)についての会議に先立って下されました。この会議では国際的解禁ができ、来年ヨハネスブルグで開催される予定です。

南アフリカでは去年、角のために殺されるサイが1215頭に上るほど密猟が流行しており、個人繁殖家の中には合法的に狩猟された角を売ることで闇市場が儲かるのを抑えることができると述べる人もいます。密猟者たちによってサイは殺され、その角は東アジアの伝統的な薬として用いられています。合法的な除角の場合、サイは農場のオーナーによって麻酔を打たれ、角を切られます。サイの角は指の爪と同じ成分であるケラチンで構成されています。

AFP通信によれば、南アフリカ国際動物福祉基金(IFAW)の理事長であるJason Bell氏は「解禁は非常に危険な処置だ」と述べているようです。
「角が国外に取引されることが許されていないとしても国内取引を許すことによって不必要な前例となってしまう。」
「もし国際的に解禁されれば、密猟と不法取引は劇的に増える。」
「今日と同様に中国での消費が続けば、2,3年後にサイは消えるだろう。」
Bell理事長は角取引の合法化は密猟を終わらせる、との主張を“世間知らず”だと片づけました。


密猟の合法化
法的手続きをとった2人の繁殖家であるJohn Hume氏とJohan Kruger氏はサイの角を売ることは憲法上の権利だと述べます。サイの角は再生可能資源である、というのが彼らの意見です。
「うまくいけば、これは来年9月に開催のワシントン条約締約国会議に新たな展開をもたらすでしょう。私たちは、南アフリカ政府がCITESでサイの角取引の国際的解禁の提案を真剣に熟慮していると信じています。合法取引が密猟を減速させることを期待しています。」
と、Hume氏の弁護士の一人であるIzak du Toi氏は述べました。

Hume氏の弁護士がAFP通信に伝えたところによると、Hume氏は南アフリカの放牧場に約1200頭ものサイを飼っている世界最大のサイ繁殖家で、4トンものサイの角を格納しているそうです。環境省は、政府が上訴を提出すればすぐに裁判所命令は延期されるだろうと以下のように述べました。
「一時的禁止措置がされない場合、すべてのサイの角取引は関連許可証交付の対象となると強調するべきだ」 
南アフリカには世界個体数の80パーセント、約20000頭のサイが生息します。
殺されたサイの個体数は2007年から昨年までで13頭から1215頭まで跳ね上がりました。
裁判官は、政府が正しい法的処置を取らず、国民聴取がなされなかったので一時的禁止措置は解禁されたのだと述べました。

2015/11/30
アフリカの重要な地区でライオンの個体数が半数に
アフリカの多くの地域に生息するライオンの個体数が激減していると、新たな研究が示唆しています。アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究は、西アフリカと中央アフリカのライオンの個体数が激減し、保護政策をしなければ20年後には今の個体数の半分以下にもなってしまうと示しています。ライオンが最も多く生息している東アフリカでも、劇的ではないにせよ、個体数は減少しています。研究によると、これまでに少なくとも500頭と把握されており、ほとんどすべてのライオンの個体群が減少しているそうです。

Pantheraという世界的な野生ネコ科動物の保護団体や、オックスフォード大学野生生物保護調査ユニット(WildCRU)、グリムソ野生生物調査局、IUCN(国際自然保護連合)種の保存委員会ネコ科グループ、ミネソタ大学環境進化行動学部などの科学者チームは、アフリカ全土に生息する47つのライオン個体群の個体数変動データの蓄積と分析を行いました。分析の結果、西、東、中央アフリカでたくさんのライオンが減少している一方で、アフリカ南部の4か所(ボツワナ、ナミビア、南アフリカ共和国、ジンバブエ)では個体数が増えていることが分かりました。

この研究の主著者であるWildCRUのHans Bauer氏は以下のように記しました。
「アフリカ南部のように、ライオンの個体数減少を食い止め、復元できることを今回の発見は示しています。しかし残念なことに、ライオンの保全活動は大規模的には行われていません。事実、多くの国で起こっている個体数減少は、非常に深刻で計り知れないほどの影響をもっています。自然資源がその危険状態の上昇に間に合わなければ、アフリカの最重要種(フラグシップ種)は、生存できなくなるでしょう。」

世界的に、ライオンはIUCNのレッドリストで絶滅危惧U類に指定されており、西アフリカでは特に絶滅危惧TA類となっています。今回の研究結果により、西アフリカのライオン保全状況を再確認できただけでなく、世界全体での調査よりも地域調査を行った方が正確なライオンの個体数を導きだすことができました。データに基づいて、ライオンは中央と東アフリカでは絶滅が危惧されますが、アフリカ南部では軽度懸念であると主著者は提言しています。

Pantheraの理事長兼最高責任者であり、この研究の共著者であるLuke Hunter博士は、
「アフリカ南部の経過に満足していてはいけません。あと数年で多くのライオンが減少し、消えていくでしょう。ライオンはアフリカの食物連鎖においてトップにいて、極めて重要な役割を担っています。今日に見られるライオンの急激な減少は、アフリカの生態系の景観を無情にも変えていってしまうでしょう。」と呼びかけています。
著者らは、人口密度が低く、資源が豊富にあったこと、そして一番よかったと思われるのは、小さく囲われ、集中的な管理と資金のある保護区に再導入されたことなど、いくつかの理由でアフリカ南部における保全は成功したと述べています。Pantheraのライオンプログラム専務理事であるPaul Funston氏は以下のように述べました。
「ライオンの個体数減少の問題について早急に、広い範囲で取り組んでいかなければ、アフリカ南部の個体群も、東アフリカのサバンナに生息するライオン達のように悲惨な状況になり兼ねません。」

今回の研究は、ライオンの直近のレッドリスト調査を掲載し、ライオンについてまとめた総合的なデータセットとなります。上席著者であり、Pantheraの科学委員会にも席をおいているミネソタ大学のCraig Packer教授は、以下のように述べました。
「将来の個体数変動を推測するには、最新予測技術が必要となり、このように大規模な保全状態の統計分析をしていかなければなりません。多くのアフリカ諸国で迅速な行動が必要なことを今回の結果は明確に示しています。」

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2015/11/19
野生のスマトラサイを絶滅から救う最後の手段
保全学者は、絶滅危惧種のスマトラサイを絶滅の淵から救うことができる最後の手段として、残り少ない個体群を集合させ、保護の強化をし、繁殖できるメスの割合を確認することを勧めています。

マサチューセッツ州立大学アマースト校と野生動物保護協会(WCS)インドネシア計画の研究者らは、残っているスマトラサイの個体数を島全体で調査してきました。
この調査では、この研究の著者が“かけがえのないスマトラサイの保護区”と呼ぶ重要森林保全地域を特定し、そこに、少数で点在してしまっているサイたちを集めて管理していくことを勧めました。

主著者のWulan Pusparini氏は、以下のように述べました。
「新たな研究データにより、スマトラサイを絶滅の危機から守る最後の手段が示されました。
スマトラサイはまだ自然界で生息していますが、取締機関の人員を増やすなど、かなりの投資を費やして、これらの保護地域を守らなければなりません。
 野生でも飼育個体でも、スマトラサイの管理方法は解明されていない部分が非常に多いため、今回の研究は我々が根源的に守るべきところを確実に示しています。」

スマトラサイの痕跡データとサイが生活しうる保護地域での占有率を用いて推測を行ったところ、現在調査エリアの13%しかスマトラサイは占有していないということが、研究者らが改良した生息地モデルから示されました。
調査員らは、密猟されないように、スマトラサイを効果的に保護できる特定の5か所の概要を報告しました。

科学者らは、インドネシアに対し、密猟をなくすために、今回の研究で特定した5つの“集約的保護地域”を正式に設置することを提言しています。
また、2つの保護区にかかってできる新しい道路の建設をやめるよう推奨しています。さらに、健康に野生で生存しているすべての小個体群と点在している個体を一元管理するよう勧めています。
最終的に「2010年にベトナムの最後のジャワサイが死んだように、何の対策も行わなければスマトラサイは絶滅し得る。」と政府は認めなければなりません。

「1814年に初めてスマトラサイが発見されてから200年が経ち、かつての東南アジアのスマトラサイたちの広大な行動域は、インドネシアのスマトラ島の3つのエリアとカリマンタン島の1つのエリアだけとなってしまった。
スマトラサイは発見しにくく大変希少であるので、この珍種の個体数と空間分布の調査は困難なものと言えます。」とPusparini氏は研究仲間と話しています。

 世界的に、スマトラサイは絶滅危惧種に指定されており、1985年に600頭いた個体数は、2013年には100頭以下にまで減少しています。
 今日の推測では、87〜179頭が生存しており、2〜50の亜集団がいるとされています。伝統的な中国の漢方として使用する目的で、スマトラサイは角を狙われ、数を減らしました。今日では、スマトラ島以外で見られる個体群はいません。
 WCSは、この研究は「急いで残っているスマトラサイが生息している場所の情報が得る必要があります。」と述べています。
 WCS世界計画の副会長であるJoe Walson氏は、以下のように述べます。
「貴重なスマトラサイが生息している場所が初めて明確になり、彼らを守るためのツールやテクニックもそろっています。あとはスマトラサイを絶滅の淵から救うために全機関の協力を確保しなければなりません。」

写真: Leuser International Foundation and Gunung Leuser National Park

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2015/11/04
獣医薬用のジクロフェナク使用を禁止(イラン)
イランの環境省は、ハゲワシ類を死に至らしめるジクロフェナクの輸出入や製造、獣医師の使用を禁止したと、バードライフインターナショナルが報告しています。

ジクロフェナクは、家畜の鎮痛剤として獣医師が使用する非ステロイド系の抗炎症薬ですが、これは世界のハゲワシ類数種の個体数を減少させる主な原因となっています。ハゲワシは死肉を食べる腐食動物ですが、彼らは死体を食べることで自然界に病気が蔓延しないように維持しており、「死体の清掃屋」を担っているともいえます。しかし残念なことに、ジクロフェナクで治療されたばかりの家畜の死肉を食べたハゲワシは、腎不全で数日後死んでしまうのです。

「ジクロフェナクの使用をイランが禁止したことは、アフリカからユーラシア大陸に生息するハゲワシ類を保護する上で大きな一歩となります。これはイランが渡り性の猛禽類の保護に対してリーダーシップをとり、配慮していることを示しています。他の国もイランを見習い、インドやパキスタン、ネパールのような国々もジクロフェナクの使用を禁止するべきです。」と、アブダビのCMS(移動性野生動物の種の保全に関する条約)の最高調整官である Lyle Glowka氏は述べました。

イラン・イスラム共和国は、激減している絶滅危惧種エジプトハゲワシが、中東では最後の拠点としている国の一つです。この国には「アフリカ・ユーラシアの渡り性猛禽類保護に関する覚書」(Raptors MOU)でカバーしている渡り性の猛禽類の約60%が生息しています。
イラン政府によるジクロフェナク完全使用禁止により、この地域に生息するハゲワシ類やほかの猛禽類の絶滅を防ぐための取り組みがより一層強化されるでしょう。今回の功績は環境省やイラン獣医学会、タルラン鳥類学グループの協力があったからこそでしょう。

アジアのハゲワシ類の危機的状況にも関わらず、ヨーロッパハゲワシの95%が生息しているスペインなどのヨーロッパ諸国は、2013年にジクロフェナクを合法化しました。
CMSとバードライフインターナショナルは、ジクロフェナクの使用を禁止するようEU諸国に訴えています。

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