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NPO法人ジャパンワイルドライフセンター(JWC)は野生動物の保護を目的として設立された野生動物保護団体です。

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動物・環境ニュース

2019/01/15
ゾウと経済: 野生動物をどう正しく評価するか
東京にお住いのボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Elephants and economics: how to ensure we value wildlife properly --The Conversation--

経済の健全性は政府に期待される大きな課題のひとつである。
そして経済の健全性やその他すべてのことが、自然環境に依存しているのだが、自然環境のことは皆、長い間見て見ぬふりをしてきた。

ほとんどの国では、今なお国内総生産が経済の健全性を計る主な指標となっている。
しかし、国内総生産には環境破壊からくる損失が計上されていない。
人間の経済活動による環境破壊および、人間の自然環境への依存、自然環境を含めた世界全体を計測し管理することの必要性がますます認識されるようになってきている。

われわれは、この新たな考え方が、エジプトのシャルム エル シェイクで今週(2018年11月20日)始まる生物多様性に関する2週間の会議で国際的に前進することを望んでいる。
(参考記事:なぜ国家勘定に環境要因を組み入れる必要があるのか。https://theconversation.com/why-we-need-environmental-accounts-alongside-national-accounts-58636 )


環境を一国の勘定に組み入れることはより正しく情報を得る手段として提案されてきたことであり、いくつかの国が取り組んでいることである。

ボツワナでは象の生息数が環境の勘定に組み入れられており、野生動物保護がコストではなく、投資としてみなされている。
この例は環境に関する資産を経済データに組み入れることが、環境保護のための新たな政策的枠組みを手助けすることを示している。
しかし、世界的にみるとこのような国家勘定を(環境まで含めて)拡大することの政治的影響は限定的である。

目標に向かって

生物多様性に関する会議は愛知目標についても含んでいる。その目標2で、以下のように表明している。
「遅くとも2020年までに、生物多様性の価値が、国と地方の開発及び貧困削減のための戦略や計画プロセスに統合され、適切な場合には国家勘定や報告制度に組み込まれている。」

これは保護活動家と経済学者が、協力して働くことのきっかけを明快に与えている。今までのところ、生物多様性の経済的な評価は何もなされておらず、そして環境的価値と経済的価値をどのように国家勘定に統合するかという問いに対する、回答は見出されていない。

一方で、生物多様性に貨幣的な価値を置くことは自然の物質化と表現されている。
しかしわれわれは適切に貨幣的な評価をしなければ、経済的権力の前に環境は無力であると反論したい。もし愛知目標2が2020年までに達成されるのためには、我々は生物的多様性に関する共通の認識と、それを認識するための共通のアプローチが必要になることが明らかである。
(参考記事:生物多様性への投資は報いるhttps://theconversation.com/it-pays-to-invest-in-biodiversity-91880 )
環境が経済に貢献することを計算に入れることと同時に、生物多様性を維持し、促進するために必要な費用を測定することもとても重要である。
ボツワナの例に立ち戻ると、ゾウが土地と水を必要とすることを認識することを意味する。(ボツワナの野生動物は、全土の水の10%を消費しており、ゾウはそのもっとも大きな割合を占める)。2013年には観光関連の産業がおよそ20億ドル(2,200億円)を生み出すボツワナでは(ボツワナの鉱山についで2番目に大きな産業セクターである)、野生動物に土地と水を分配することは懸命な投資判断であるといえる。

この取り組みは別の土地活用をした場合の経済的トレードオフ(同時には成立しない二律背反の経済的関係)を明らかにしている。
たとえばビクトリア中央高地では原住民による木材切り出しをやめることが木材関連の収入を減少させる一方で、フクロモモモンガダマシを含む、希少生物の生息範囲を保護することになる。そしてそれは、農業などのほかの産業やメルボルンのような都市にすむ人々を利することとなる。
(参考記事:メルボルンの貯水池における伐採はやめるべき https://theconversation.com/logging-must-stop-in-melbournes-biggest-water-supply-catchment-106922 )

帳簿を日々アップデートする

その他の勘定体系同様、環境の経済的価値に関する評価が政府の政策決定の土台であり続けるために、理想としては毎年更新される必要がある。
それは生物種と生態系そのものに関する情報を継続的に収集することが必要となる。

残念ながら、長期的な国家レベルでの生物種もしくは生態系レベルでの生物多様性に関するモニタリングが行われている例はほとんどない。
そして、遠隔地からの測定技術は主要生態系(サバンナや温帯林、湿地)に関する俯瞰的な観察を可能にする一方で、実地調査に取って代わるものではない。

今月のエジプトにおける会議は生物的多様性が人間と経済に貢献することを再度確認する機会を各国に与えた。そして、さらに前進して、環境と経済のトレードオフを理解し、正しく評価することを助けるための、両社を統合した勘定が必要であることを合意する機会を与えた。

見て見ぬふりをしてきたものを認識したのは大きな前進だ。言うまでもなく健全な将来への投資もだ。

福田保彦
追補:JWCスタッフ
2018/11/22
結核の感染を拡大しかねない牛農家たち!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Farmers who trade in risky cattle ’helping to spread TB  THE TIMES 

 ある科学的調査専門チームによると、貪欲な牛農家たちは、自分の牛たちが結核にすでに感染しているかもしれないという不安を隠しつつ、その牛たちを売買して、更に感染を広めているのではないかと指摘しています。
 イギリスでは、アナグマが牛結核の主感染源であるとされ、毎年多数のアナグマが淘汰されています。
 アナグマの淘汰は、結核感染牛の頭数減少に適度な効果そして実際の効果を表しているが、この結核を撲滅するために、農家はもっと努力が必要であり、危険地域での牛の移動は避けるべきとある報告書が発表されました。
 政府の結核撲滅戦略を評価するその独立審査チームの先導者であるCarles Godfray氏は、牛農家の多くはアナグマを責めているが、大半以上の感染は、アナグマというよりもむしろ牛同士間で引き起こされていると主張しています。
 牛結核はイギリス南西部と西部地方に集中していて、全体のうちの32地域では、4年間、アナグマの淘汰が実施されており、1地域あたり4年間での淘汰費用は1億円と推定されています。
 また、ペットや馬と同じく牛にもマイクロチップを導入することが、動物の追跡の改善と不法売買を防止する上で、不可欠であるとそのチームは主張しています。
 Carles Godfray氏は、アナグマの淘汰の賛成派と反対派との間でかけはなれた相違が存在しており、彼のチームの証拠を基にした解釈は、結核に感染したアナグマの存在は、牛の群れに脅威を与えているのは確かであり、もし淘汰をしない決定が下されるなら、そして、もし非致命的な介入が非効果的であれば、結核撲滅の進展に遅れが出るであろうし、完全な撲滅はより複雑になるであろう。しかしながら、アナグマの淘汰は結核の感染拡大にそれほど大きな影響を及ぼしてはいない。
 2016年に170万頭の牛が、結核危険地域内と危険地域間で移動されており、牛農家は感染の拡大に貢献していると言えるとともに、いくつかの証拠から、農家の中には、次の結核検査で陽性を疑われる牛を売買したり、耳標を健康牛と取り換えて何らかの操作をしていることがうかがえるとそのチームは指摘しています。
 結核高危険地域では、ヨーロッパで実施されている感度の高い結核検査を導入すべきであるとも公言しています。

 全国農家連合のStuart Roberts氏は、結核に取り組むために、我々は得られる全ての方法(例えば、結核検査、移動制限、農場設備、ワクチン等)を実行することが不可欠であるとともに、この報告書をもとに、私たちがこれから何をすべきかを検討していきたいと述べています。
 アナグマ保護団体のDominic Dyer氏は、Charles氏が、その残酷な、高コストの、そして非効率的な淘汰の廃止を主張しなかったものの、Charls氏は、アナグマのワクチン接種が淘汰に代わる有望なものと認識していると述べています。 

 政府は、その報告書を受けて、来年の夏までに更なる対策を公表することとなっています。農政務担当のGeorge Eustice氏は、私たちが牛結核撲滅に専心するものの、明言できることは、その撲滅には単独方法は存在しない、とその複雑さを訴えています。

補足;
イギリスでは、結核の高い危険地域とバッファー地域に限られて、アナグマの注射用BCGワクチンが2014年から4年間の期間で実施されているところです。バッファー地域とは高い危険地域と低い危険地域の境目の地域を言います。それと同時に、アナグマの淘汰も実施されています。しかしながら、2015年に世界的にBCGの不足があり、アナグマのワクチン接種は一時中止になった経緯があります。このワクチン接種の計画実施が軌道に乗れば(良い結果が得られれば)、淘汰に代わって、イギリス全体でアナグマにワクチン接種を実施していく事が期待されます。
また、経口用ワクチンが来年には許可されれば、注射よりももっと効率よく、低いコストでワクチン接種が出来るので、ワクチン接種の需要が更に高まって行く事がさらに期待されます。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補:折原美子、JWCスタッフ
2018/11/13
テーマパークへ輸出するために牢獄に繋がれたクジラたち
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Whales held in "jail" for export to theme parks. The TIMES

 中国のテーマパークに不法にクジラを売買することで多大な利益を得ようとするロシアの企業を非難する中、100頭以上のクジラが、ロシア太平洋海岸沿いで小さな囲いに詰め込まれて飼われています。

 環境保護の運動家たちは、11頭のシャチ と90頭のベルーガが、ナホトカ海岸沿いの”クジラの牢獄”と言われるほどの狭いスペースの中で飼われ、そのうちの何頭かのクジラは、7月から今もなおその囲いの中で飼われていると述べています。

 You Tubeのビデオでは、クレーンで持ち上げあられたクジラが大きな容器に入れられるところが映し出され、運動家たちは、クジラはこれから中国に送られるところであると述べていました。また、クジラのサイズと年齢によりますが、1頭のクジラは約1億5000万円で売買されるそうです。

 ロシアの環境保護の関係者たちは、そのクジラたちが非合法的に捕獲されたか否かを調査中であり、クジラの状況を追求把握している所であると言っています。1982年に商業捕鯨モラトリアムが採決され、教育と学術研究目的のみ、クジラの捕鯨が可能であるとされています。

 しかしながら、この7月にロシアの企業は、教育目的という理由で捕鯨の許可を得たものの、7頭のシャチは不法に売買されたと報告されています。 
 グリーンピースは、少なくとも15頭のクジラが、2012年から2016年の期間に、中国の海洋水族館に売買され、企業の中には、貸出しという名目でそのモラトリアムをすり抜けて売買していると主張しています。

 グリーンピースに協力していますロシアの調査担当のOganes Targulyan氏は、この速さで続くと、全てのシャチを失う危険が大きいと訴えています。
 現在、年間のシャチの割り当て捕鯨頭数は13頭までとなっています。しかし、彼曰く、1頭のシャチを捕獲するのに、少なくとも1頭以上のシャチが犠牲になっているという現状に、誰も深刻に受け止めていないのが実情であり、彼はプーチン大統領にこの問題を取り上げてもらうように懇願しました。
 カムチャッカ半島領域に生息するシャチは、去年絶滅危惧種に指定されました。しかしながら、ロシアにおけるクジラの不法売買に関しての法改正の効果は未だに明らかにされていません。

 子供のクジラの捕獲は全面禁止にもかかわらず、ナホトカ近くで保管されているクジラの多くは、若い子供のクジラたちであると思われます。

 シャチは別名Killer Whaleとして知られ、家族単位で群れをなして生活しており、幅広い意味合いを表現する複合音を通してお互いのコミュニケーションを図っていると言われます。

 国際自然保護連合のGrigory Tsidulko氏は、シャチを囲いの中で保管することは拷問に等しいと訴えています。彼はまたシャチの寿命は、自然界においては50〜80歳であるのに、海洋水族館では5、6年と非常に短命であると述べています。
 中国では、この2年間の間に、およそ36箇所の新しい海洋水族館がオープンされる予定で、クジラの需要、特にシャチにおける需要の増大が必須となることが伺えます。

商業捕鯨モラトリアム:国際捕鯨委員会で捕鯨国が商業捕鯨を一時的に停止すること。1982年に採択。
 
イギリス在住翻訳ボランティア 折原 美子
2018/11/02
世界の野生生物の60%の消失は人間にあり
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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"Humans to blame as 60% of world’s wildlife is lost” 30th Oct. 2018 The Times

 1970年以降およそ60%の野生生物の減少が地球規模でみられ、その最大の原因は、彼らの生息地域の消失に他ならないと言われています。
  WWFとロンドン動物協会によって作成されたLiving Planet Report 2018の報告書によると、野生生物を保護するには、パリでの地球温暖化に関する合意に匹敵するぐらいの全世界的な政策が必要であると訴えています。
 詳細には、哺乳類、爬虫類、鳥類、魚類そして両生類のあわせて4000種、16,700頭羽を調査した結果、1970年から2014年の期間でおよそ60%の減少が認められました。いくつかの種で際立った減少傾向にあり、例えば、タンザニアのゾウは2009年から60%の減少、ガーナの灰色インコは1992年から98%減少、そして、ボルネオのオランウータンはこの過去16年で半分に減少しています。

 その野生生物の減少の原因の多くは、人類の消費の激増に帰するところで、パーム油や大豆のプランテーションそしてダム建設、鉱物発掘、道路の建設による広大な生息地の消失と言われています。
 乱獲と外来種の導入が、その次の大きな要因となっています。公害と地球温暖化は高まりつつある脅威にすぎなかったと言われています。
 世界の土地面積の25%だけが、人間活動の影響を受けていない状況の中で、2050年の予測によると、10%にすぎないであろうと報告されています。

 WWFのMike Barrett氏は各国のトップが、地球温暖化の話し合いの様に、生物多様性条約にも同じ注意を払うべきであり、そして、2020年に北京で開催される野生生物を保護する会議に、彼ら達が出席するように促しています。
 また、その報告書によると熱帯地域では最大な減少傾向にあり、ラテンアメリカでは1970年からジャガーやオオアリクイを含む89%の頭数の減少が報告されています。ヨーロッパやアジアでは、およそ31%の減少でありますが、Barrette氏によると1970年以前の開発によって野生生物は既に荒廃された状況であったからであると説明しています。
 Barrette氏は、イギリスが野生生物の保護に世界的にリーダーシップを取るべきであるが、まずは自国の野生動物保護に専念しなければばらないであろうと公言しています。

 イギリスでは、断片化された都市開発により、市街地に住むハリネズミ頭数が2002年から2014年の間で75%減少、また、農業の集約化により、ヨーロッパヤマウズラは1970年から2004年で85%減少という状況にあります。

 WWFのTanya Steele氏は、オランウータンがいて、パッフィン(つのめどり)がいて、誰もがきれいな空気と食べ物があるような世界を望むのなら、今すぐにでも行動する事が必要と訴えています。


 生物多様性条約:1992年にブラジルでの地球サミットで採択され、生態系のバランスを平衡に維持していくために、自然界のあらゆる動植物を保護していかなければならないという条約。


イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
2018/10/16
パーム油:オランウータンを保護する努力は失敗に…(インドネシア)
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Palm oil;pledges to protect orang-utans have failedーthe industry needs to act
(パーム油;オランウータンを保護する努力は失敗に…その産業界は実践が必要)

 インドネシアに属するボルネオ島の明け方、あるパーム油生産農場の労働者達が、ビーンと呼ばれる20歳のオランウータンの死体を人工水路から引っ張り出していました。後に、労働者たちが近くの国立公園の調査職員を呼び入れた時に、マイクロチップから、ビーンは住んでいた森林からおいやられ、パーム油農場で銃で撃たれそして繰り返しナイフで刺されていたことが判明しました。

 インドネシアではオランウータンを保護する試みが進められています。しかしながら、2018年のある生物学雑誌の調査によると、1999年から2015年の期間で10万頭のボルネオ産のオランウータンは消滅し、その頭数は全頭数の半分以上にのぼります。
 生息地の消失(例えば、伐採による森林破壊やパーム油などのプランテーションなど)は、最も重大な減少要因となっています。
 行き場のないオランウータンたちは、新しい住処を探して、農場主によって殺される危険を冒してもパーム油生産農場へと侵入していくのかもしれません。農場は、いかなる時も自分たちを正当化し、一方、オランウータンはいつもその犠牲になっているということです。農場主は、すべての野生動物を保護しようと努力していると公言するにもかかわらず、ビーンの死が起きてしまったことにどう言い訳をするのでしょうか?

 この伐採と密漁の結果として、世界自然保護連合は、193種の生き物がパーム油による脅威に晒されており、オランウータンは、その中でも、かなり深刻な被害を被っていると警告しています。

 パーム油の需要は年々増している状況の中で、ある運動家たちは、森林破壊の産物であるパーム油の生産を止めるように世界的に有名な会社に抗議しています。現在、447会社がその供給チェーンでの森林破壊を止めることを公的にコメントしました。ネスレ、ユニリーバ、パルモリーブ、ペプシそしてP&Gは2020年の最終期限までに森林破壊を止めることに同意しています。

 しかしながら、NGOによると彼らたちの努力も全く意味をなしていないということです。また、2018年のグリーンピースの報告によると、家庭用衛生製品で有名なブランドのどの会社も、パーム油の生産供給元が森林破壊に関与していないかどうかを把握することができなかったということです。

 グリーンピースの森林保全担当のRichard George氏は、パーム油の大部分はどのパーム油精製工場由来か、ブランド会社は突き留めることができると言っていますが、問題なのは、その前段階にあるパーム油生産供給者がその生産過程で森林破壊に関与しているかは分からないとのことです。

 過去にインドネシアで、NGOと自然保護団体によって、大型パーム油生産元が森林破壊に関与しているということで摘発されました。今年になって、Wilmarという世界的に有名な大型パーム油貿易業者が、森林破壊の終結を確約して5年経た現在、パリ市内の2倍の広さに当たる森林破壊に関与していたことがわかりました。この産業界を改革するために、グリーンピースをはじめとする運動家たちが、大手のブランド会社に対して、供給チェーンの見直しを訴えています。

 Richard George氏は、パーム油の出所がわからない限り森林破壊は続いて行くことであろう。そして、ブランド会社は一貫した方法で、パーム油生産の責任を取ることを今始めなければならない、NGOからの警告を待ってから行動するのではなく。と述べています。

 世界に僅かに残されたオランウータンの運命は、天秤にかけられている状況にあり、またビーンのような結末が繰り返されるであろう。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2018/10/02
南アフリカの孤児ライオン農場は偽物!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Tourists to South Africa warned "orphan lion cub farms are a scam driving big cats to extinction. INDEPENDENT U.K.
(南アフリカへの旅行者に警告”孤児ライオン農場は絶滅を助長する偽農場 英国インディペンデント紙)

 南アフリカの孤児ライオン農場では、旅行者達はライオンとセルフィーを撮ったり、ミルクをあげたり、散歩したりと楽しんでいますが、その裏には、旅行者達は騙されて、儲けのあるトロフィーハンティングやライオンの骨の売買を支持しているにすぎないと言われています。
 旅行者達は、その偽の孤児ライオンアトラクションと関わらないように警告されています。

 ある動物愛護団体は、”旅行者達が訪れる南アフリカの孤児ライオン農場は、アジアへの骨の売買やトロフィーハンティングからの収益によって、ただライオン達を飼育しているにすぎない。”と訴えています。

 また、ある専門家は、これらの農場は、絶滅危惧種を保護して助けるどころか、彼らは小さな檻に入れられ、その頭数は減少傾向にあると言っています。

 実際、南アフリカのライオンは旅行者達との写真スナップのために使われるために、檻の中で生活し、そして、もはや子供ライオンに愛らしさがなくなり、旅行者と一緒に散歩することも危なくなってくると、最後には、トロフィーハンティングとして売られ、あるいは、殺処分して、彼らの骨を偽の薬として売り、南西アジアへと渡って行くとのことです。

 ライオン農場に潜入した調査隊達は、子供のライオンは孤児ではなく、商業的目的で生後1日あるいは生後間もなくの赤ちゃんライオンを、母親から引き離しているにすぎなく、母親ライオンはまた強制的に檻の中で繁殖を続けさせられている状況を観察してきました。

 ヒューメイン ソサイエティ インターナショナルは、檻の中の動物は、しばしば食事、衛生的に恵まれず、または自然な行動能力をも奪われる傾向にあると主張しています。
 ”子供のライオンは決して野生に戻されないし、野生に戻っても生き残れないであろう。”
 ”また、全く無知な旅行者達やボランティアの人たちは、多額のお金を落とし、野生保護に協力していると信じ、まさか動物を虐待する産業へと、そして、ライオンの絶滅への架け橋になっているとは想像にも及ばないであろう。”

 南アフリカには、野生ライオンは3千頭にも満たなく、監護のもとでおよそ8千頭のライオンが約260箇所のライオン農場で飼育されています。
 去年は、1千600百万人の旅行者が訪れ、その数は増加傾向にあり、皮肉にも、ライオン農場の人気とその陰にあるトロフィーハンティングに拍車をかけるようです。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2018/09/21
猫にマイクロチップを。さもなければ淘汰の危険あり!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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”Chip your cat or risk it being culled to save New Zealand birds”THE TIMES

 ニュージーランドのオークランド市では、野生動物を保護するために、野生保護管理区域内でマイクロチップが付けられていない猫が捕獲された場合には淘汰されてしまう!という計画が進められています。

 オークランド市の動物愛護の人たちは、3月にその計画が実施されると、何千匹もの猫たちがその危険性に脅かされる事であろうと述べています。150万人が住むこの市には、生態的に重要な地域が5つありますが、その対象地域はその1箇所で、その地域に住んでいる猫が対象で、マイクロチップが付けられていない猫は、有害動物とみなされ、淘汰を免れないことになるとのことです。

 実際のところ、ニュージーランドでは、猫にマイクロチップを義務付けてはいないそうです。
 オークランド市としては、野生動物を保護するために、特に飛べない野生鳥、例えばキーウィの保護を呼びかけています。なぜなら、猫たちによって、これまでに少なくても9種類ものニュージーランドの原住鳥は、地域的なあるいは全国的な規模で絶滅への影響を被っているからです。
 市で働く人々は、熱狂的な動物愛護の人によって、死の脅迫を受けています。一方で、猫を愛玩する人達は、狼狽し、心配を隠せない様子です。
 
ニュージーランド猫ファウンデーションの会長のAnne Batley-Burton氏は、猫たちも、人間同様一切衆生(生きとし生けるもの)であり、彼らの生命を軽く受け取ってはならないと訴えています。
 
また、動物虐待防止協会は、この3月の最終期限 は、マイクロチップを強いられる飼い主には短すぎると断言しています。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2018/09/14
伐採による生息域の破壊で2050年にはコアラの絶滅が懸念される!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Koalas 'to be extinct by 2050' as farmers destroy awathes of forest. "THE TIMES"

コアラは旅行者に愛され、世界的著名人に抱かれるやら、そして、写真でセルフィーポーズを決めたい芸能人に撫でられ、とても人気者です。
 しかしながら、長期間のコアラの生存展望に関する報告によると、その生存はあまり長くないだろうと...
この背景にあるのは、オーストラリア北部のニューサウスウェールズでのコアラの生息域の破壊によると言われています。
 動物愛護の人々は、もしこの状況が続けば、2050年までにコアラはオーストラリアから絶滅すると信じています。
 オーストラリア政府は、去年、原生林の法律を廃止しました。その原生林法とは、農場主が伐採を禁ずる法律で、
その土地の所有者はその法律は厳格すぎて、農家の生活を苦しめるだけだと主張してきました。
 その法律が廃止されてから、更地化された土地は、3倍にも及びました。自然保護協会は、12,000エーカーの森林が失われたと訴えています。
 自然保護生物学者のMartin Taylor氏は、もしこの更地化が現在の割合で続くと、コアラにとっての影響は非常に深刻なものになるだろうと。
 オーストラリアのWWFのStuart Blanch氏は、”ニューサウスウェールズでは、全滅の危機に向かっている。全ては、森林にかかっている。もし健康な森林であれば、野生動物たちの十分な水分供給として、地面まで伐採する必要はない。”と述べています。
 コアラが食べるユーカリの葉には、55%の水分が含まれていると言われています。
 ある統計によると、コアラの総頭数は100,000頭とも、あるいは40,000頭あまりとも言われています。
 ビクトリア女王時代(1819−1901)には、南オーストラリアの海岸沖にあるカンガルー島には、コアラの生息頭数が多大だったので、生息を維持するのに困難をきたしていました。
 しかしながら、今は、クイーンズランドとニューサウスウェールズの一部において、コアラは危急種として分類されおり、コアラの生息地域の消失、都市化の拡大そして、病気と、さらなる恐怖を彼らに投げかけています。
 ニューサウスウェールズ政府は、そのコアラの絶滅を主張している自然保護者たちを批判しながらも、その長期化したコアラの生息維持に2千万ポンド(60億円)の援助を公約しています。そして、国の最も愛されるシンボルになるようにと。
 しかしながら、観光産業に何十億ポンドをもたらすその動物にとっては、この金額は支払われるには少なすぎるかもしれません。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2018/07/06
かつての楽園に帰ってきたアフリカ野生犬(リカオン)

イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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"Wild dogs are returned to lost Eden" The Times

 モザンビークでは、過去の内戦で、アフリカ野生犬(リカオン)が全滅にまで至った背景があり、今回、彼らを再び取り戻そうという試みで、モザンビークに、何頭かのリカオンを導入しました。
 その動きは、アメリカの慈善家のGregg Carr氏によって援助された45億円プロジェクトの一部で、彼は、アフリカの失われた楽園として知られるモザンビークにあるゴロゴーザ国立公園をかつての栄光へと再建したいと願っています。

 モザンビークはかつて、動物の宝庫でしたが、ポルトガルの植民地からの独立戦争が続き1975年に独立はしたものの、100万人もの市民は殺され、野生環境は消滅してしまったそうです。リカオンは絶滅し、キリンやゾウの生息頭数は9割まで減少しました。
 1992年のローマ和平協定以降でも、モザンビークは野生環境を保護するのに苦闘しています。残念ながら、2013年には、国で最後に残ったサイが密猟によって殺されました。
 自然保護関係者たちは、有名人を魅惑させていたあの1960年代、70年代の全盛期に、ゴロンゴーザ国立公園を復活させることに希望を抱いています。
 
 8頭のオスと6頭のメスが、南アフリカから飛行機で輸送されました。広大な国立公園に離す前に、環境に慣らさせる為に何日間か檻の中で飼育されました。
 このプロジェクトは、早い時点で良い成果が得られたというのは、1頭のメス犬は妊娠中のようで、出産場所を探していました。
 他の野生動物も戻ってきており、サイやワニたちが目撃されています。2016年の調査で約60頭のライオンが認められ、2、3年前と比べると2倍に生息頭数が増えています。最近の空撮調査では、500頭あまりのゾウが生息されていることがわかりました。

 特徴のある大きな耳を持つ黄褐色がかったリカオンの再導入は、しかしながら簡単なことではなく、その肉食動物たちが不安定な生態系を乱すかもしれないし、家畜を襲って農家(人間)と衝突するかもしれない危険性を持っているからです。
 
 ただ、実際のところ、リカオンはアフリカ大陸の最も絶滅危惧された肉食動物の中の1つに挙げられ、野生において5000頭にも満たない状況にあります。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2018/05/30
アフリカゾウの母、永遠に
 ■訃報■

去る4月12日、JWCでご紹介している絵本『エレナとダフニ』、訳本『愛のアフリカゾウ~エレナ』の原作者でもあるダフニ・シェルドリック女史がこの世を去りました。


ダフニ女史はアフリカの団体、デビット・シェルドリック・ワイルドライフ・トラストで、主に密猟により親を失って保護された幼い動物たちを受け入れ、自立できるまで育て野生に返していく、という活動を行っており、先に亡くなった当団体の創設者 佐草一優も長きにわたり親交を頂いた中、著書の和訳も務めさせていただきました。

JWCでは、彼女の大いなる功績を讃え、謹んでご冥福をお祈りするとともに、その志を深く心に刻んでいきたいと思います。

※書籍をご希望の方はJWCまでお問い合わせください。

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