ジャパンワイルドライフセンター|JWC official web site

NPO法人ジャパンワイルドライフセンター(JWC)は野生動物の保護を目的として設立された野生動物保護団体です。

ホーム> 動物・環境ニュース

動物・環境ニュース

2021/02/24
交通の騒音がもたらす野鳥たちのさえずりへの影響
 アメリカから交通騒音が、野鳥たちの生活に影響を及ぼしているという研究結果のニュースが届きました。このニュースによると、アメリカのオレゴン州パシフィック大学のクリストファー・テンプルトン教授が行った実験の結果、交通騒音がある・なしで、ゼブラフィンチ(キンカチョウ)の餌の採集能力に差が生じたというのです。
 テンプルトン教授の実験では、録音した交通騒音を飼育下のゼブラフィンチに騒音あり、騒音なしの条件で聞かせると、騒音ありの場合、餌を探す能力が低下し、その差は2倍にもなったそうです。騒音による悪影響はゼブラフィンチだけでなく、ほかの種でも同様にみられると考えられ、私たちの身の回りにいる生物にも知らぬ間に悪影響を与えているかもしれません。

 別の研究では、実際に交通騒音によって、コオロギの求愛の鳴き声が妨げられ、繁殖相手を見分ける能力が損なわれているという結果報告もあります。
さらに、海洋でのソナーや地震調査、船舶の往来の騒音などが海洋生物のコミュニケーションが途絶えることも明らかになっています。

 ケンブリッジ大学の動物学者アダム・ベント博士は、「何十万年もの間行われてきた仲間同士のコミュニケーションに、交通騒音が大規模な混乱を引き起こしていること、長期的に多大な悪影響を及ぼす恐れがあること」に対し、警鐘を鳴らしています。また、イギリスのケンブリッジ州のアングリア・ラスキン大学のソフィー・モウルズ博士からは「人為的な騒音の発生は、環境の特性を絶えず変化させている」との発言もあり、騒音は生物環境に関わる深刻な問題であると言えます。

 新型コロナウイルスによる都市のロックダウンでは街が静かになり、野鳥たちのさえずりが変化していました。
 今後、私たちが通常の生活に戻れば、再び都市部は騒音が大きくなり、野鳥たちに影響を及ぼすでしょう。
交通騒音の削減は困難な課題ですが、テンプルトン教授は路面や車のタイヤのデザインを変えるなど、騒音を低減させるための工夫の余地はまだまだあると語っています。
 人間の生活が豊かになる半面、原住の野生動物たちへ悪影響を及ぼしてしまう現実があるのは事実です。しかし、科学技術が発達した今、人間と野生動物が本当の意味で共生できる環境を作ることも決して不可能ではないと私達も考えています。
今後、技術の開発により交通騒音の影響が低減されることを期待したいと感じました。


参考文献URL:https://www.bbc.com/news/science-environment-55910424
情報提供者:大谷 碧

2020/07/22
動物保護に迫るパンデミック
 世界に蔓延している新型コロナウイルス(covid-19)は、人類の生命を脅かす存在ですが、これは、絶滅危惧種を保護している人々も深刻な状況に追いやられています。医薬品やマスクの不足、各地のロックダウンによるチャリティ活動の制限で、保護施設の運営に危機が迫っています。

 アマゾンの熱帯雨林にあるエクアドルのメラゾニア(Merazonia)という野生動物保護センターで働く獣医師のLouisa Baillieさんは、人口8000人ほどのメラという村の近くで、果物と野菜をリュックに詰め込んだ後、葉を拾い、道沿いの木についているシロアリを捕って、アリの巣のかけらが入っているバケツに入れます。シロアリは、最近警察の検問所で捕獲されたアンディーという、キタコアリクイの赤ちゃんの夜ご飯になります。

「いつもは(夜ご飯の)買い物へ週に2回ほど出かけるのですが、現在動き回ることが難しくなっています。今私たちはもっと定期的な短めの買い物を試みていて、村へ出かける旅、その道のりで何か拾えるものがないか見ているのです。」

これはエクアドル政府が、新型コロナウィルス感染の対策として国内での人の動きの制限をしている為、いつものようなショッピングは制限され、身近で入手できる物を代用しているのだというのです。
メラゾニア野生動物保護センターでは、オマキザル、タマリン、ホエザル、キンカジューやピューマを含む100匹ほどが収容されており、大半は南アメリカで行われていた不法な野生動物取引から保護された動物で、ほとんどが野生に返すことができないのが現状。センターの寄付金はボランツーリズムで得ていますが、外国人観光客が国内へ入国できない状況により、これを持続することも困難となってしまっています。

同じように、ボルネオ島南部のインドネシア領カリマンタンにあるオランウータン保護センター(The Centre for Orangutan Protection)も、感染拡大を抑えるために現在は一時的に封鎖しています。この施設も動物保護にかかる費用を観光客からの収入に頼っていますが、1月に中国の武漢が封鎖されて以来、保護動物センターへの来場者数も急減しているようです。

他にもWildlife Friends Foundation Thailandという野生動物保護センターとペッチャブリーにあるゾウの保護施設では、新型コロナウィルスの影響により、80%ほどの資金を失っているといわれています。
ここには700匹以上の動物が保護されていて、世話や多くの餌が必要な25頭のゾウのほか、30頭ほどのクマと400匹ほどの霊長類がいます。このまま資金難が続けば、スタッフの50%を解雇せざるを得ず、そうなれば保護センターは早ければ1、2か月、長くても3か月くらいで継続が難しくなるだろうと予想されています。
Free the Bearsというオーストラリアの非営利団体が運営するラオス、カンボジア、ベトナムの保護施設では、18年以上ベトナムのクマ農場の檻に閉じ込められていた雄と雌のクマを2月半ばに保護する計画を立てていましたが、ベトナム政府が一時的に国内の野生生物の移動および販売を停止したことにより、計画は頓挫してしまいました。(※その後、何とか保護されています。)

一方で、アジアの野生動物保護活動家にとっての希望の光も見え始めています。2月下旬、中国では一時的に野生動物の取引と消費を禁止することが決まり、これは今年度後半で法律として成立することが予想されています。
Animals AsiaというNGOを22年前に創立したJill Robinsonは、何十年もの間、政府に対し野生動物取引を禁止にするよう強く働きかけてきた人物の一人です。皮肉にも、新型コロナウィルスという人類にとって大きな敵のおかげで、野生動物取引禁止という目標はついに実現され始めました。

新型コロナウィルスは、様々な分野に影響を及ぼしています。野生動物保護施設も例外ではありません。自宅に居ながらでも野生動物保護は寄付という形で行うことができます。もし皆さんが、インターネットで気に入った野生動物保護施設を見つけたら、ほんの少しでも構わないので、寄付というご支援をご検討頂けたら思います。


参考文献URL:https://www.theguardian.com/environment/2020/mar/28/wildlife-rescue-centres-struggle-to-treat-endangered-species-in-coronavirus-outbreak-aoe

情報提供者:大谷碧

2020/07/22
コロナ渦で浮かんだ闇
 最近また新型コロナウィルスの感染者数が増加し、心休まらない日々が続いていますが、動物業界でも今回の新型コロナウィルスにより散見した“ある問題”を早急に見直すべきだとして注目されています。

 世界でパンデミックを発生させている新型コロナウィルス(covid19)について、環境保護の専門家たちは、中国で野生動物を売買するマーケットが発端だという説が有力と考えています。これについては、日本でも話題になりましたが、皮肉にも人類を脅かす新型コロナウィルスが、絶滅の危機に瀕している野生動物売買の抑制に関わる分岐点となったことは確かなようです。

 ある野生動物保護団体のAdam Peyman氏がベトナムのレストランに入った時に、彼は、メニューを見て驚きました。米やヌードル、魚介類とともに、野生動物、しかも絶滅の危機に瀕している動物までメニューに載っているからです。ヤマアラシ、スッポン、野生の豚そして山ヤギなど。しかし、ベトナムでは、これらの食事は豪華なものと位置付けられていて、他のアジア諸国でも、エキゾチックな肉を食べることは、裕福な証とされています。食材や薬として重要な位置を占める野生動物への欲求は、更に野生動物売買を駆り立てます。しかし、特に野生の哺乳類の消費は、人間の健康に真の脅威を投げかけます。何故なら、種間のバリアを超えて病気のキャリアーとなる可能性があるからです。

 Wet markets(ウェットマーケット)は、東南アジアの国々、特に中国本土でよく見られる光景です。人々の活気に満ち、新鮮な野菜や果物はもちろん、鮮魚、ニワトリそして野生動物などが売られています。このマーケットの名の由来は、これらを保存するのに氷が使われ、それが溶けて床が濡れることからきていますが、同様に屠殺時の床の血を掃除することからもきています。
ロンドン動物協会のAndrew Cunningham氏は、このような不衛生なウェットマーケットは伝染病の時限爆弾になり得ると話しています。さらに、我々人類は、野生動物を乱獲し、あたかも自分たちの産物かのように野生動物を取り扱ってきた現状を鑑みると、次は我々が野生動物を含めた自然界からの報復を受けたとしても何の驚きはない、と述べています。

 現在のコロナウィルスのパンデミックは、大多数の感染者と死亡者を出していますが、武漢のシーフードマーケットから始まったという説が有力とされています。 
新型コロナウィルスについては確かな起源はいまだに謎のままですが、他の動物宿主を介して複雑なプロセスを経て人間に伝染したとも考えられています。

 中国政府でも武漢のシーフードマーケットの危険性を踏まえ、野生動物を食肉として消費することを禁止する法制化が進んでいます。ヤマアラシ、ジャコウネコ、カメなどの多くの飼育農場は閉鎖されました。しかし、あくまで食用を目的とした売買を禁止するに留まり、薬やペット、研究のための野生動物の売買は可能なままなのです。

 野生動物の売買にスポットライトが当たったのは今回が初めてのことではありません。2002年に中国で発生したSARS(SARS-CoV)では770人以上が亡くなりました。この時は、コウモリとハクビシンが疑われましたが詳細は未だ解明できないままでいます。

 新型コロナウィルスは、まだ収束すらしていませんが、Cunningham氏は、将来、再びパンデミックをもたらさないために、結果とともに原因に注目しなければならないといいます。
例え、森林を保護したとしても、そこに生息する野生動物はマーケットに流れ、消え失せてしまいます。指摘することは簡単ですが、実際には中国に限ったことではなく、アメリカやヨーロッパ、アメリカ、東南アジアなどその他の多くの国々でも起きている事実です。
記事の最後にも書かれていますが、今販売されているエキゾチックなペットの多くは野生で捕獲されています。
他の生物の命、延いては自分たち人類の命を危険に晒した上で手に入れたものに、いったいどれほどの価値があるのか。私達は今まさにその問題と直面しているのではないでしょうか。

参考文献URL:https://www.bbc.com/news/science-environment-52125309
情報提供者:折原美子
2020/06/09
ヨーロッパアナグマ 淘汰という名の駆除、終結
 新型コロナウィルスが問題になっている中、The Guardian紙に、「ヨーロッパアナグマの淘汰の終結」という記事がありましたので、JWCでも紹介させていただきます。

 ヨーロッパアナグマというのは、ヨーロッパ全域と西アジアの一部に分布しているネコ目イタチ科の動物で、日本に生息しているニホンアナグマと同属の動物です。森林から草原、牧場など様々な環境に適応して生息していますが、人間にも感染する重篤な感染症の原因として、駆除の対象とされてきました。

 20世期前半から家畜に感染が広まったマイコバクテリウム ボビス(Mycobacterium bovis)により引き起こされる牛型結核菌。この感染症は、牛の生乳を摂取することで人間にも感染します。牛型結核病は、年間3万頭の牛の強制淘汰と175億円の諸費用が農家と共に納税者にとって大きな痛手となっていました。この牛型結核菌の伝播者として知られるようになったヨーロッパアナグマは、牧場での感染源であることから、イギリス政府は、2013年に国内2か所で駆除を始めました。現在では43か所にも拡大し、これまで処分されたのは10万頭にもおよぶそうです。

 ところが2018年、専門機関のある報告により、牛型結核菌の感染は、売買による牛の頻繁な移動や、農家による感染予防対策の不備が大きな要因になっていることが判明し、ヨーロッパアナグマを駆除するのではなく、マイコバクテリウム ボビスに対するワクチン接種を行うことが重要だと主張されました。

 今回の記事は、イギリス政府がこの報告を受けて、現在行われている駆除を数年内に廃止し、アナグマのワクチン接種に移行すると発表したというものでした。

 記事によると、イギリス政府は農場内での感染拡大を減らすために、牛の移動方法についても適切に行うように検討するとともに、農場の効果的な感染予防対策の取り組みにも専念していくそうです。
さらに結核に感染した牛の多くが、牛同士による感染経路になっていたことから、感染した牛の効果的な診断検査方法の開発と、牛用のワクチン開発も支援するとしています。

 現在の新型コロナウイルスの蔓延により、どこまで実施できるかは定かではありませんが、これで少しはヨーロッパアナグマの淘汰という名の駆除も減るのではないかと考えられます。結果的にはアナグマへのワクチン接種により、他の野生動物への感染リスクも減少することで、生産者や納税者、動物たちとその自然環境にとって、より良い未来になることを期待しています。


情報提供:折原美子
執筆  :JWCスタッフ


記事URL
https://www.theguardian.com/environment/2020/mar/05/badger-cull-phased-out-replaced-vaccinations-bovine-tb-england
2020/01/29
オーストラリアの森林火災:自然保護家によると「全ての種が大火災により絶滅してしまうかもしれない」
国内在住、学生のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
*******************************************

“Australia wildfires: Entire species may have been wiped out by inferno, conservationists say” The Independent U.K.
オーストラリアの森林火災:自然保護家によると「全ての種が大火災により絶滅してしまうかもしれない」
「私たちは火傷で手を失ったカンガルーやコアラを見てきています...とても悲しくなります」と野生動物園のオーナーは話した。

自然保護活動家や野生動物専門家の間では、オーストラリア国内で拡大する「壊滅的な犠牲」を生み出している山火事に対し、全種絶滅の危惧が懸念されている。

専門家は、小型有袋類のスミントプシス属やテリクロオウムは、土地の三分の一もの焼失を招いたカンガルー島の火災により絶滅した可能性があると述べている。

このカンガルー島は、オーストラリアの南海岸側に位置しており、オーストラリアのいわゆるガラパコス島とも呼ばれていたがー現在は「焦土」と化している。

生態学者はスミントプシス属の生き残りを探し出し、「完全絶滅してしまう前に救う」ことを望んでいる。

非営利の Kangaroo Island Land for Wildlifeを運営している生態学者、ハイジ・グロフェンは、ネズミのようなスミントプシス属は体が小さすぎるため山火事の中生き延びるのは厳しく、個体数300匹ほどしか生存していなかったものが絶滅した可能性がある、と述べた。
それでも彼女は、彼らが岩の隙間へ避難した可能性に希望を持っている。

「もし生き延びた個体がいたとしても、現在は食糧がない」「彼らが完全に死んでしまう前に生き残りを捕獲したいと考えている」と話した。

同団体の動物相生態学者、パット・ホジェンスは、The Independent誌に語ったところによると、「 火災初期にして我々は絶滅危惧種にとって必要不可欠な退避地を失ったため、これらの種の生存能力には長期的影響を及ぼすだろう」と述べている。

「カンガルー島のスミントプシス属の絶滅が私たちの1番の心配事であり、スミントプシス属が生息している地域全域が全焼したように見られます。カメラトラップを使って火災被害が及んでいない生息地が残っていないか探しているところです」

ホジェンス氏は、既にチームにより生き残り発見のためのカメラトラップが設置されており、スミントプシス属がまだ生息している可能性のある場所を全てドローン・マッピングにより探したい、と話した。

島では、50,000強ほど生息していたコアラの犠牲も出ており、半数近くものコアラが火災によって死んでしまったと考えられている。

希少なテリクロオウムについては、火災から逃れることができた群れが、生息地としていた島の大部分が灰となってしまった中、彼らの今後はどうなるのか、といった懸念がある。

クイーンズランド大学でこれらの鳥について博士号習得に取り組んでいる自然保護生物学者、ダニエラ・テセラは、「私たちはテリクロオウムの生息にどの程度被害が及んでいるのかはわかりませんが、給餌や繁殖において重要な場所が燃えてしまったことは明らかです。現時点では詳細を待つのみです。」と述べた。

彼女は、これらの鳥は飛ぶことができるため、火災からの避難としては恵まれた状況にあったと考えているが、スミントプシス属と同様にテリクロオウムも食糧不足になるだろうと考えている。

これらの鳥は木麻黄(モクマオウ)という常緑小高木で、木麻黄一種類のみを食料としているが、島の重要な地域は燃え続けている。

ダニエラ・テセラは、保護活動をこれまで25年間慎重に続けてきた結果、テリクロオウムの個体数を150羽から増やすことができたが、この功績はたったの一週間で失われてしまった。

カンガルー島野生動物園の共同所有者であるサム・ミッチェルは、「私たちは火傷で手を失ったカンガルーやコアラを見てきていますー彼らに助かる見込みはないのです。とても悲しいです。」と言った。

「私たちは現地の野生動物のリハビリのためにできることは全てするつもりですが、回復するのには何年もかかるでしょう」、と彼は話した。

カンガルー島の野生動物園では、当初目標としていたA$15,000(1100万円)を大きく上回るA$183,464 (約1400万円)の募金が集まった。

野生動物園では、寄付金は「獣医療費、コアラのミルクや栄養補助剤、そしてこれらの動物を保護するにあたっての物資を保持する建物の設置などに使われる予定だ。」

政府は、全土で約5億もの動物が、火災が始まってから影響を受けたと推測している。

シドニー大学教授、クリス・ディックマンは7Newsに、野生動物の復活には長期間かかると伝えた。

「コアラやその他影響を受けた野生動物を探しに、火災被害を受けた場所へ助けに行く人も多くいます。

長期的な観点で見ると、在来動物の個体数を元の状態まで復元することが課題となるでしょう」と彼は述べた。「多くの動物が今後も火災により悪影響を受けることは確実です」

オーストラリアの環境エネルギー省広報担当者は、「オーストラリア政府環境エネルギー省では既に科学者、州ごとの団体、国立公園運営機関、自然資源管理者や原生地管理者と連携を取って、復興における優先順位の判断や、今後の保護活動に関する計画を進めています」と話した。

「コアラ病院への寄付は既に行われているため、追加の寄付金はコアラの生息地へ送られます。ニューサウスウェールズ州北部の複数の地域では、火災によるコアラ生息地への被害を理解し、回復への最適な選択肢を決定するために、既に調査が始まっています」

また、被害を受けた場所へ関係機関が火災の影響調査へ行く際、調査をするのに安全であると許可が降りるまでの待機期間があったことを追加で述べた。

原文URL;https://www.independent.co.uk/news/world/australasia/australia-wildfires-dunnarts-wildlife-cockatoo-animal-deaths-kangaroo-island-a9270966.html

翻訳ボランティア 大谷碧
追補 JWCスタッフ


2019/10/18
日本を象徴する鳥 朱鷺  〜大空に蘇るニッポニア・ニッポン〜
現場に行ってみましたシリーズ #2
日本を象徴する鳥 朱鷺
〜大空に蘇るニッポニア・ニッポン〜

 9 月27 日、新潟県佐渡市で第21 回目のトキの放鳥が行われました。今回はおす11 羽、めす7 羽の放鳥が予定され、野生復帰ステーションにて6 月から順化訓練が行われていました。そこで、昨年訪れたときに観察した佐渡島の野生復帰したトキについて紹介いたします。
 まず、プランとして、佐渡島での行動を考えて、カーフェリーで車ごと渡る計画を立てました。島といっても、沖縄本島に次ぐ大きさの島ですから、移動手段は欠かせません。新潟県の新潟港佐渡汽船乗り場から、カーフェリーに乗って約2 時間半、佐渡島の両津港に到着後、すぐに佐渡島中央部、国仲平野の新穂村の「朱鷺の道」を目指して車を走らせます。
 「朱鷺の道」に入った途端、眼前に広がる田んぼの広大さにまずは感動。そして、おそらくいるであろう、トキの姿を探しますが、まだ、トキの姿を認識できないため、この広大な田んぼのどこにトキがいるのやら、なかなか探しきれません。そのとき、はるか彼方の田んぼに白い物体を発見。そして、周りを見渡すと、斜め前方の彼方にも、
同じように白い点々としたものが確認できます。近づいていくと、まさにトキの群れです。
 ここで、佐渡島における、トキの観察ルールを説明します。車で近づくことはできますが、車から降りて近づいてはいけないこと。また、当然ですが、田んぼのあぜ道には立ち入らないこと。ほかにも大きな音を出さない、餌を与えないなどがあるので、もし、佐渡島にトキを見に行かれる機会がありましたら、十分注意してください。もちろん、双眼鏡や超望遠レンズを持参することも忘れずに。

 日本における絶滅に瀕する動物の中で、今回のトキは、純国産で
はないものの、限りなくDNA が日本産のものに近く、また、飛行移
動が可能で、近隣の国ということから、もともと交流があったかもしれない個体群から見事に再生した例です。

 「現場に行ってみました#2」については、会員向け活動報告書
(JWC 通信) で詳しく掲載しております。

459-s-1.jpg459-s-2.jpg

2019/10/18
密猟者から2年内にサイを救わないと ボツワナより
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
*******************************************

 ”Two years to save Botswana rhinos from the poachers”
密猟者から2年内にサイを救わないと ボツワナより

 ボツワナ政府は、自国のサイの頭数は密猟の増加によって2年以内に絶滅するかもしれない、と警告している。
 密猟者は、ボツワナにあるアフリカ最後の楽園で知られているOkavango Delta地域を狙っている。隣国の南アフリカでは、過去10年で7,000頭以上も殺され、サイの生息頭数が激減している状況にあるからだ。
 ボツワナで殺されたサイの中には、南アフリカからボツワナの安全な地域へと輸送されたクロサイやシロサイが含まれている。
 先月、2頭のサイが立て続けに殺された。彼らの角はアジアで1キロ50,000ドルで売買される。密猟者によって脊椎を損傷され身動きできないサイもいて、生きてはいるものの角は剥離されている。彼らは、銃殺を隠すために焼き殺すこともある。
 政府の野生保護課Mmadi Reuben氏は、今年に入り、ボツワナでは平均月1頭の割合で殺されているが、この4月からは9頭のサイが殺されており、その状況は悪い方向に向かっている。このままいくと1年或いは2年後にはサイは全滅する、と訴えている。
 野生保護グループは、ボツワナのクロサイの頭数はほとんど存続不可能に近いと主張している。そして、彼らは、18ヶ月前に就任したMasisi大統領による政府の密猟取り締まり縮小とサイの密猟頭数増加とを関連づけている。
 ボツワナには、4,000頭以下のサイが生息しているが、多くはOkavango Deltaに生息している。
 野生保護関係者達は、Masisi政府が密猟を重要視しないことを非難している。
 多くの国々、例えば、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、チャド、パキスタン、ベトナム、タイでは、生息地域の減少により全体的にサイを失いつつある。野生生物犯罪アナリストのRoss Harvey氏は、密猟がボツワナに移動するのは時間の問題だ、と訴える。

原文URL
https://www.thetimes.co.uk/article/two-years-to-save-botswana-rhinos-from-the-poachers-lz27nzw0p


イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2019/10/15
赤ちゃんゾウにおける動物園貿易の国際的廃止
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
*******************************************

"Zoo trade in baby elephants banned internationally" BBC news

 この夏、スイスのジュネーブで開かれたワシントン条約会議で、野生のアフリカゾウの赤ちゃんを親から引き離し、世界各地の動物園に売買する行為のほぼ全面廃止が可決された。

 欧州連合は、アフリカから世界の動物園へ、野生の赤ちゃんゾウの売買に賛成の立場を構えていたが、数日間の討論の末、売買廃止に同意した。

 しかしながら、主な輸出国であるジンバブエは勿論のこと反対し、アメリカも反対した。

 ジンバブエとボツワナは、他のアフリカの国々よりもゾウの頭数が安定しているという背景があり、赤ちゃんゾウを適切かつ受け容れ可能な国へ売買することが許されていた。ジンバブエでは、2012年から100頭以上の赤ちゃんゾウを中国の動物園に流通させていた。

 今後は、赤ちゃんゾウの売買は、例外的な状況を考慮しながら、ワシントン条約会議の委員会によって決定される。
 最終的にこの売買の廃止は可決されたが、この2週間の会議は安易なものではなく、ジンバブエはその廃止に対して強く反対し、また欧州連合は遺伝的変異の観点から初めは反対していたが、特別な条件によっては売買が可能という点など幾つかの修正の後同意した。

 Born Free Foundationの会長であるWill Travers氏は、将来的に、野生の群れから引き離される赤ちゃんゾウの存在はゼロではないが、かつてのように大量の赤ちゃんゾウが海外へ売買されることは無くなるだろう、とコメントしている。

原文URL
https://www.bbc.com/news/world-africa-49481716#targetText=A%20near-total%20ban%20on,rules%20after%20days%20of%20debate.

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補 JWCスタッフ
2019/10/02
絶滅の危機に瀕しているクロオウムのなかま オーストラリア パース
オーストラリア在住のボランティアさんより情報提供をいただきましたのでご紹介します。
*******************************************

●絶滅の危機に瀕しているクロオウムのなかまは、パースで避難場所を探しています。

 絶滅危惧種の鳥たちが森から街へと移動するにつれて、パース郊外は、自然保護を訴える人々が、鳥たちのねぐらを守る戦いのための戦地となりつつあります。

 研究者によると、鳥たちは今、センダン(cape lilac tree)のような外来植物を食糧源として利用することを学んだために、南西部の森林やパースヒルから都市エリアへとその行動範囲を広げていると述べています。

 クロオウムのなかまで、パース周辺でも見られるニシオジロクロオウムと南西部の森林で見られるボーダンクロオウムは、国際保護連盟(IUCN)によって絶滅危惧種(EN)にランクされ、生息地の喪失、巣穴の不足、他の鳥や蜂との巣穴の奪い合いによって減り続けています。

 オウムを10年以上研究しているマードック大学准教授のKris Warrenさんによれば、「例えばボーダンクロオウムは、10,000から15,000羽が生息していると推定されるが、現実はおそらくそれより少ないでしょう」と述べ、クロオウムのなかまの生息範囲は増加している一方で、その数は減少し続け、いくつかの種は絶滅危惧種としてリストに残されたままなのです。

 現在、クロオウムのなかまがパースを住みかとしていることもあり、研究者と自然保護グループは、開発業者と対立しながら絶滅しつつある種を保護することは重要だと述べています。

 声を揚げたのはゴスネル市のグレーターブリクストンストリート湿地帯で、パースの最も重要なクロオウムたちのねぐらを「産業の発展によって差し迫る脅威」から守るために集結したコミュニティーグループと科学者です。

 集会議長のRegina Drummondさんは、保存審議会の西オーストラリア州の担当者のPiers Verstegenさんが「地元のコミュニティーが野生動物を保護するために開発業者と政府に責任を負わせている別の状況」と言った件について、90匹の幼鳥を含む330匹のクロオウムのなかまが脅威にさらされていると述べました。

 開発業者のLinc Property Groupは、ねどことなる木を守るだろうと述べ、クロオウムのなかまのコロニーを広げるために、植林することを計画しました。

●交通事故や違法な射撃によるオウムの死

 パース動物園の獣医師Simone Vitaliさんは、近年、”都市エリアでより多く見られる”怪我をしたクロオウムの急増に伴い、動物園では年間約300羽のクロオウムを治療していると述べました。
その中に、車とぶつかり翼の骨を折ったオウムがいます。この一羽には“ハンサム”というニックネームがつけられました。“ハンサム”は完全に回復して野生に戻されることが期待されています。

 Vitaliさんは「交通事故はパース周辺でオウムたちが怪我をする主な原因です。なぜなら、側道の水たまりに集まって水を飲む傾向があるのですが、車が近づいたときに逃げ遅れて事故に遭うのです。」と述べました。

 西オーストラリア博物館は、鳥たちは山火事、気候変動、そして害鳥扱いされ違法な射撃による射殺、業事業による脅威にも直面していると述べました。

 マードック大学准教授のKris Warrenさんは、「私たちの象徴的、カリスマ的な生物が生息し、もしそれらを保護できないなら、何を保護できるのでしょうか。」と述べました。

情報提供:オーストラリア在住ボランティア 国府田 愛
執  筆:JWCスタッフ
2019/07/30
日本に存在した狼 〜鷲家口の最後のニホンオオカミ〜
現場に行ってみましたシリーズ #1
日本に存在した狼
〜鷲家口の最後のニホンオオカミ〜

 今月から、日本国内の野生動物に関するニュースや新聞記事で取り上げられた現場を訪れる「現場に行ってみましたシリーズ」を不定期にお届けいたします。第一回目は、すでに絶滅してしまったニホンオオカミのニュースを見つけたので、最後のニホンオオカミが捕らえられたといわれる現場に行ってきた模様を交えてお伝えします。
 5月29日のニュースに、奈良県吉野郡大淀町のヘ育委員会が所蔵しているニホンオオカミの頭骨が本物だったという記事が掲載されました。ミトコンドリアDNAを解析したところ、ニホンオオカミのものに間違いないという結果になったとのことです。詳しい内容はぜひ記事を検索してみてください。
 ニホンオオカミとは、1900年ごろには、日本に多数生息していたオオカミで、シカやイノシシなどを襲っていた日本の野生動物の頂点に君臨していました。しかし、江戸時代になると家畜を襲ったり、狂犬病を伝播させるという理由から、多くが殺され、明治維新後には、すでに著しく減少していました。1905年、奈良県鷲家口で捕らえられた若いおすが死んだのを最後に絶滅してしまいました。
 今回はその最後のニホンオオカミが捕獲された奈良県東吉野村鷲家口(現在の小川)に行ってきました。ここにニホンオオカミの等身大のブロンズ像が建てられています。かつてはこの地をニホンオオカミが群れをなして往き交い、獲物を追っていたのでしょう。きっと、高見川にも降りて、水辺にやってきたシカを襲っていたのかもしれません。
 日本の本州・四国・九州に生息していましたが、実際には何頭が存在していたのかは不明です。ほかの地域でのニホンオオカミの絶滅の要因としては、狩猟圧と生息環境の減少も含まれますが、東吉野村ほどの自然環境豊かな場所でも絶滅が起こってしまうということは、我々人類は、相当肝に命じて、自然に接していかなくてはならないと思います。
 「現場に行ってみました#1」については、会員向け活動報告書(JWC通信)で詳しく掲載しております。

455-s-1.jpg



RSS Feed Widget

のづた動物病院
ページのトップへ戻る

- Topics Board -