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NPO法人ジャパンワイルドライフセンター(JWC)は野生動物の保護を目的として設立された野生動物保護団体です。

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動物・環境ニュース

2016/03/31
インドの荒野でカエルの新種発見
インドとシンガポール国際大学(NUS)の調査チームは、新種のアマガエルをインドの海岸平野にあるラテライト(熱帯性紅土)岩石層の中から発見しました。このカエルは、大きさが親指の爪ほどで、学名は発見された土地に因んでMicrohyla lateriteとされました。

NUS科学部生物化学科のポストドクターSeshadri K S氏が率いた調査チームによる発見は、2016年3月に発行されたPLOS Oneという権威のある雑誌に掲載されました。

ラテライト岩石層はインド南西部の海岸平野ではよく見られる景観です。この地層は、しばしば木やその他の植物がない岩の多い地域であると広く考えられているので、荒野に区分されています。これらの土地は投棄場として利用されることが多く、建材としてレンガの材料となる素材を採掘する場所としても使われています。

研究の著者の一人であるRamit Singal氏は、「私のラテライトと生息地」というスローガンのもと、この土地の先進科学のためにこの研究の指揮をとり、インドのカルナタカ州ウドゥピ地区にある海岸沿いの町マニパルの中や周りにあるラテライト層に生息しているカエルに焦点をあてました。このカエルについて説明するために、彼はSeshadri氏や他の協力者に共に活動をするよう働きかけました。

このカエルは、体長1.6cmほどで、全体的に薄茶色で背中や前脚、足、わき腹に目立つ黒い模様があります。その鳴き声はコオロギと勘違いしてしまうような声をしています。

新種のこのカエルは、生息地に因んで学名をMicrohyla lateraite(M. laterite)と名付けられました。調査チームは、Microhyra属のカエルは他の属に比べ口が小さいので、種名はラテライトアマガエルとなるだろうとしています。

この研究の主著者であるSeshadri氏は、「生息地に因んで命名されたこのカエルによって、存続が危ぶまれている岩石層が生態系の中で重要な役割を果たしていることに気付いてほしいです。M. lateriteはラテライト地域についての人々の認識を変えるマスコット的な存在になれると思います。」と述べました。

このカエルの新種としての妥当性を確保するために、Seshadri氏とチームメンバーは4個隊の遺伝子や体の構成、色素、発生について研究しました。また、近縁種の結果も比較しました。

「インド全域に生息するヒメアマガエルのような他の種と大変間違えやすい結果がでました。しかし、遺伝子検査の結果からはM. lateriteは全く異なる種であることが示され、西ガーツ山脈にしか生息していないM. sholigariと近縁であることが分かりました。これら3種は、小さく見た目が似ていますが、唯一の違いは、試験を行うことでのみはっきりと表れます。」と、この研究の著者の1人でありポストドクター研究としてインドのカエルの生息地分断化について研究をしているPriti Hebbar氏は述べました。

☆さらなる研究と保全活動
初期評価によって、チームはM.lateriteがIUCNのレッドリストで絶滅危惧種に指定されるべきと提案しており、それは地理的な行動圏は狭く、インドの南西部150km²内に生息しているからです。
「地質学的な遺産にも関わらず、インドのラテライト地域は法的にはあまり守られていません。この不安定な生息地が直面している危機的状況をもって、彼らを保全しいかなければならない。」とRamit氏は述べました。

M. lateriteは、西側の海岸沿いにある岩の多い地域にしか生息していないため、今後はこの種の進化生態学を決定づけるような調査をしたり、ラテライト岩石層との関連性について試験調査をしていきます。

「両生類がどうやって保護区外で生き残っているかはまだわかっていません。今回発見した新種は、私たちが両生類について更に理解を深めれば、ラテライト地域である生息地をインドの法のもと、「保護区」または「生物学的価値のある地域」とすることができるでしょう。」とSeshadi氏は述べました。

写真:今回発見された新種のカエル(Microhyla laterite)

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2016/03/23
キツネザル類の生存を脅かすマダガスカルの違法ペット取引
キツネザルの種のうち1/3は、マダガスカルで違法ペットとして飼育されていることが新たな調査により分かりました。マダガスカルにおけるキツネザル取引の拡大は、いくつかの絶滅危惧種の保全活動を脅かすものになるかもしれません。

6カ月に渡り、調査員らがインターネットを使ってデータを収集したところ、685頭のキツネザルが302件で飼育されていることが分かりました。また、171個のホテルのソーシャルメディアページやウェブサイトを調査したところ、そのうちの15%で、観光客を引き付ける広告として事務所にキツネザルを飼育していました。

「さらなる取り組みとして、違法ペット取引を制御するために規制や法令が必要です。また、高級リゾート施設などが宿泊客の呼び物としてキツネザルを使用しないよう、マダガスカルの観光業と協力して活動しなければなりません。観光客には、キツネザルを本来の生息地から持ち去ってはいけないことを理解してもらう必要があります。」と、この研究が掲載されたアメリカン・ジャーナル・オブ・プライメイトロジー・スタディの共著者であるKim Reuter博士は述べました。

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2016/03/23
キツネザル類の生存を脅かすマダガスカルの違法ペット取引
キツネザルの種のうち1/3は、マダガスカルで違法ペットとして飼育されていることが新たな調査により分かりました。マダガスカルにおけるキツネザル取引の拡大は、いくつかの絶滅危惧種の保全活動を脅かすものになるかもしれません。

6カ月に渡り、調査員らがインターネットを使ってデータを収集したところ、685頭のキツネザルが302件で飼育されていることが分かりました。また、171個のホテルのソーシャルメディアページやウェブサイトを調査したところ、そのうちの15%で、観光客を引き付ける広告として事務所にキツネザルを飼育していました。

「さらなる取り組みとして、違法ペット取引を制御するために規制や法令が必要です。また、高級リゾート施設などが宿泊客の呼び物としてキツネザルを使用しないよう、マダガスカルの観光業と協力して活動しなければなりません。観光客には、キツネザルを本来の生息地から持ち去ってはいけないことを理解してもらう必要があります。」と、この研究が掲載されたアメリカン・ジャーナル・オブ・プライメイトロジー・スタディの共著者であるKim Reuter博士は述べました。

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2016/03/16
スマトラオランウータンの新たな個体群 高地で発見される
今まで分かっていなかったスマトラオランウータン8000頭が、国際調査チームによって発見されました。トバ湖の西側にいる個体群と同様に、絶滅危惧IA類に指定されているこのオランウータンが山にたくさん生息していることが分かりました。この発見によって、スマトラオランウータンは、現在推定約14,600頭となりました。

2種いるオランウータンのうち、スマトラオランウータンは、インドネシア北部にあるスマトラ島にのみ生息しています。彼らの個体数は、密猟や生息地である森が農業利用のために消失していることによって大幅に減少しています。もう1種のボルネオオランウータンはマレーシアのボルネオ島に生息しています。彼らの個体数は推定約55,000頭で、IUCNによって絶滅危惧IB類に指定されています。
オランウータンの生息地の伐採が計画通りに行われた場合、2030年までに4,500頭がいなくなってしまうでしょうと、今回の発見をした科学者らは警告しています。このため、科学者らは、オランウータンが生息する森に悪い影響が起こらないように、スマトラ島に関する国際と地方の法制定の対策をとるよう促しています。
「思っていたよりたくさんのスマトラオランウータンがいてとても嬉しいのですが、現状に甘んじている場合ではありません。今後何年にもわたってオランウータンの数が激減するような開発計画がたくさんなされています。」と、リバプールにあるジョーン・ムーア大学のSerge Wich氏は述べました。

ヨーロッパとインドネシアの科学者らは、オランウータンの巣をカウント調査する際に300q以上の範囲で200を超えるライントランセクト調査*を行い、3000個を上回るオランウータンの巣を見つけ、これは推定約14,600頭のオランウータンに相当するという事となりました。
科学者らはコンピューターシュミレーションを用い、実際の土地利用計画に基づいた森林伐採の未来図をいくつか描きました。もしこれらの計画が実行されれば、2030年までに4,500頭ものオランウータンが消えてしまうという結果が、この解析により分かりました。
したがって、推定個体数の増加がどんなにいいニュースだったとしても、森林伐採が現在のまま進行していけばオランウータンはあっという間にいなくなってしまうでしょう。
「フィールド調査と解析法が急速に発展することによって、今後何年かで他の12種の霊長類のいくつかの種の推定個体数の増加と減少の調査を行うことが出来るでしょう。これにより、より良い保全、管理方法を知らせ、類人猿の保護改善に向けたガイダンスを提供することができます。」と、このプロジェクトのリーダーであるマックスプランク進化人類学研究所とドイツ生物多様性研究センターのHjalmar Kuehl氏は述べました。

※ライントランセクト調査とは、ある地形上にラインを引き、ラインが横切る生物の被度や、ラインに沿ってベルト上に区切られた範囲の個体数や被度を評価する調査方法。

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2016/03/04
2016年ヒョウのスポーツハンティングを禁止(南ア)
ケープタウン-環境省は2016年にヒョウのスポーツハンティングの地域割当をゼロにするとしました。これにより、事実上南アフリカにおけるヒョウのスポーツハンティングは1年間禁止されます。

これは南アフリカに生息するヒョウの個体数が不明な上、スポーツハンティングはこの種の生存に大きな危険性を与えるという南アフリカ科学機関による警告を支持したことになると、Conservation Action Trustは述べました。

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)では、南アフリカは1年に150頭のヒョウを狩猟し輸出するが許されています。昨年末に、官報に掲載された許可制限の可能性に関する早期勧告では、年はじめに出されるガイドラインが厳守されなければ、地方の割当てが2016年の間にゼロになるだろうことを示しました。

世界中で行われているライオンのスポーツハンティングも、アメリカの種の保存法で2種のライオンを保護すると決め、昨年12月に制限されました。この活動はライオン狩猟をハンターたちにとって違法なものにはしなかったものの、ハンターたちはアメリカに狩猟した動物を持って帰ってくるために、さらに多くの手続きをしなければならなくなりました。

ヒョウに関する官報の公示の注釈によると、環境NGOであるPantheraのGuy Balme氏はこう述べています。「全ての適切な処置が取られて初めて狩猟を続けてもいいと思います。この場合のみ施行が持続可能となり、すでに他の脅威によって大きなダメージをうけているヒョウの個体数にさらなる圧力を与えないと確信できるでしょう。」

環境省は行き過ぎた合法的、非合法的な害獣狩猟、適切な管理がされていないスポーツハンティング、文化的、宗教的な装いのための豹皮の不法取引、一般的に不十分な狩猟や許可割当の管理等、ヒョウへの脅威をリストにあげました。


調査機関によるヒョウに関する発見

-繁殖率が低い
-分布が断片的である
-生息数、個体数の傾向が不明瞭
-不法取引量が不明瞭
-狩猟(主に不法狩猟)が多いにも関わらず、その管理ができていない
-狩猟管理、監視の確信性が低い
-国の環境保護に対するインセンティブが少ない
-ヒョウの生息地のわずか5%から15%しか厳しく保護されていない


南アフリカにおける狩猟禁止法は今年中に施行されます。環境報告書原案によると、科学機関はこの期間中に再調査し、国のヒョウ狩猟の管理と監視の達成目標に関する基準も設けるとしています。

環境野生動物基金の肉食動物保全マネージャーのKelly Marnewick氏はこの禁止令を支持しています。
「私たちが行っている野生生物の取引を持続可能なものにすることは大切です。もし私たちはそれができないなら大変な問題です。私たちは取引を持続可能なものにできるようになるまでは取引を禁止する必要があると思います。」と彼女は述べました。

「この国のスポーツハンティングに関する記録保管業務には衝撃を受けました。狩猟された動物の年齢、性別、大きさすら記録していなかったのです。猟友会が持続可能な野生動物取引に関して真剣であるならば、彼らはこの禁止令を受け入れ、取引が持続可能なものになるまで政府と共に行う方法を見つけてくれるでしょう。」


Cape Leopard TrustのHelen Turnbull氏もまたこの活動を支持しました。彼女は、良識が普及したこと、そして地方が共に活動を起こすまで政府が禁止令を継続するとしたことを団体は喜んでいると述べました。

Wilderness FoundationのAndrew Muir氏はこの禁止令を良い知らせであり、達成目標と基準が設けられていても、それは一時的な処置であると述べました。

「いくら中心的な保護管理地区におけるヒョウの個体数、性質、分布等に関する質の高い研究をしてもしすぎる事はありません。ヒョウはカリスマ的で、頂点にいる種です。個体数と環境収容力が分かるまで、私たちは彼らを狩猟するべきではないのです。」と彼は述べました。

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2016/03/03
自然環境保全地域で繁殖する世界的に珍しいレイヨウ
多くの人はヒロラという名前を聞いたことがありません。この淡黄褐色のレイヨウは、面長でメガネをしているような模様をした臆病な性格の動物です。しかし最近では、ヒロラは最も保全の取り組みが成功しているものの一つだろうとされています。ヒロラは、タナ川の東岸で彼らの近くに暮らしているソマリアの遊牧民と似たような生活をしています。

 ケニア北東にあるイシャクビニ・コンサーバンシーに広がるアブダラ・ソマリアコミュニティーは、ヒロラを愛好していますが、ヒロラはそのおとなしい性質から、他の地域では‘まぬけなレイヨウ’と呼ばれています。ヒロラはケニア北東とソマリア南西の固有種ですが、1990年までにその個体数は80%も減少しました。主な原因は、病気や狩猟、草原の消滅が続いていることです。

 イシャクビニは北部ケニアの33ある保全地域の1つであり、ノーザン・レンジランド・トラスト(NRT)のもと、活動を行っています。NRTと共同で44,000km²の地域を管理しており、その範囲はインド洋から大地溝帯にまで及んでいます。ここでは、野生動物を保護するだけでなく、その近くにある田舎のコミュニティーの安全を確保し、回復力の早い生計を立てさせています。

 NRTやケニア野生動物公社(KWS)、ほかの団体を通して、資金や支援を調達し、イシャクビニは、地域内に残った最後のヒロラたちを守るために、捕食者を防ぐ3000ヘクタールの囲いを建てました。2012年8月、この地域周辺に群れをなしていた48頭のヒロラが、この保護地域に移動してきました。この保護区は絶滅危惧種の保全のために用意された、ケニアでは初めての塀で囲われた保護区となりました。
 
 イシャクビニ・コンサーバンシーでは、地域の人々とヒロラの苦境に目を向け、保護区の外の密猟パトロールや保護区内のヒロラの終日観察を保護レンジャーに専念させました。イシャクビニにおける保全管理策の方向付けをするために、NRTを通して専門家からの化学的なアドバイスをもらっていました。しかし、この努力が将来どれだけの影響力をもつかは予測することができませんでした。

 2016年1月、航空と地上調査により、彼らの努力がどれほどの成果を生んだかが明らかになりました。保護区の中に推定97頭のヒロラが観測され、その中には大きなお腹をした妊娠中のメスも何頭かいたため、この数字はもうすぐ100を超えるとされています。はじめは48頭だけでしたが、たった3年半でヒロラの数は2倍になったのです。

 「ヒロラの個体数が50%増加したことは、ケニアの自然環境保全地域発展の機会と強みとなるいい例です。ケニアの野生動物の未来は、野生動物と共生している地域の発展と表裏一体となっています。ケニアの自然環境保全地域は、アフリカで最も先進的なモデルの1つとして、世界的に認知されており、それは情報に基づいて地域の管理について決定できる要素ともなる一方で、野生動物から利益を得たり、新たな代替収入を利用できるようになっています。」と、NRTの保全理事長であるIan Craig氏は述べました。

写真:個体数が回復しているヒロラ

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2016/02/23
5300万年前に北極に存在した飛べない巨鳥
ウマの頭と同じ大きさの頭をもつ巨大な飛べない鳥が、凍てつく自然界がまだ湿地のような環境だった5300万年前に北極に存在していたことを、科学者らが裏付けました。
 アメリカと中国の機関による共同研究により、ディアトリマとして知られるこの巨鳥が北極圏にある現在のエルズミア島に存在したことが分かりました。この鳥は体高180cm、体重100kgほどあったと推定されています。

 ディアトリマが北極に存在したという証拠は、1970年代に調査員らによって発見された1つのつまさきの骨の化石でした。そして、科学者らは同じ時期にワイオミング州で発見されたディアトリマの化石とその化石が一致したことを発表しました。

「ワイオミング州の標本と、そこから約4000kmも北側にあるエルズミア島で発見された標本とを識別することができません。」と、北京にある中国科学アカデミーのThomas Stidham教授は述べました。Thomas教授とその仲間であるコロラド州ボールダー大学のJaelyn Eberle氏は、筋付着部の研究などの技術で骨の適合性を調べました。この研究はScientific Repotsに掲載されています。
 この研究によりディアトリマの行動について様々な興味深い疑問が浮かんできました。ディアトリマは北極が何カ月にもわたり暗闇に閉ざされる冬の間、南へ移動していたのではないかといわれています。ディアトリマは、もともと恐ろしい肉食動物だと考えられていましたが、最近の研究により実は完全な草食動物で、その大きなくちばしを使って葉やナッツ類、種子、果実をむしゃむしゃ食べていたと示唆されています。

 「北極で見つかった化石は、”大変珍しい物”であり、1年を通してディアトリマがどこで生活していたのかわかっていません。
 今日存在するウミガモは寒い冬を極寒の北極で過ごしますが、水鳥の多くの種はより温かな春や夏の時期だけ北極で過ごします。」と、Eberle氏は述べました。
 
 カナダのエルズミア島は、世界で10番目に大きな島で、グリーンランドに隣接しています。フィヨルドから分裂し広大な氷が付着するエルズミア島は、地球上で最も寒く、乾燥し、孤立した島です。冬の気温は-40℃にまでなります。
 しかし、5300万年前から始新世までは今とは全く違う場所でした。この時代、南極とオーストラリアがくっついており、世界の気温は非常に暖かく、ほとんどの場所で氷結はしていない状態でした。エルズミア島はこの頃、今では遠くアメリカの南によく見られるラクウショウという湿潤な土地に生える植物に覆われていたと考えれられ、その証拠にこの地域にはカメやワニ、サル、大きなカバやサイのような哺乳類も生息していたことが分かっています。
 すぐにはサルやワニがエルズミア島に戻ることはないでしょうが、ディアトリマの発見により気候変動の影響が明確になりました。
 「何万年にも渡って存在した北極の氷が、消滅しようとしています。
 すぐにはワニやサル、カメがエルズミア島に戻ることはないと思います。しかし、北極が暖かかった時期があったと知った今、将来そこに生息する植物や動物の個体数は変動するだろうという推測ができるでしょう。」

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2016/02/15
2015年のサメがヒトを襲った件数
2015年にサメがヒトを襲った件数は98件であり、人口とサメの個体数増加のために理由のない攻撃の件数が急上昇し過去最多となったことを、調査員らは1年間の記録の中から発見しました。

 ハワイでシュノーケリングをしていた人を含む、6名がサメに襲われて死亡しました。世界中の科学者が提出したデータによると、このうち2件は、インド洋にあるレユニオン島で、ほかの被害者らはオーストラリアやエジプト、ニューカレドニアで襲われたそうです。

 2014年に比べると昨年は命に関わる事件が2倍となっていますが、死亡件数の割合は過去10年の平均値とほぼ同じだったと、インターナショナル・シャーク・アタック・ファイルの代表George Burgress氏は述べました。1958年から作成されているデータベースはフロリダ大学に保存されています。
この98件という件数は、2000年の記録の10倍を超えており、今回の件数増加は人口とサメの個体数増加を反映しているとBurgress氏は述べました。

 「海水温の上昇により海洋哺乳類の行動域が広がったため、アメリカの北側の海でもサメの襲撃事件が起こったのです。珍しいことに、ロング・アイランドでボディーボードをしていたニューヨーカーもサメに襲われたそうです。
 温暖化か続く限り、東はバージニア州の北側、西はカリフォルニア州でサメの襲撃にあうかもしれません。」と彼は述べました。

「ノースカロライナ州とサウスカロライナ州における季節外れの水温上昇は、昨年おきた16件の被害の一因となっており、この中には1時間以内に2人の子供が襲われるという珍しいケースも含まれています。2015年フロリダでは30件ものサメ被害があり、これはアメリカ全土の59件の約半分の件数になります。」と彼はさらに述べました。

 ハワイでは7件、ほかはカリフォルニア州、テキサス州、ミシシッピ、ニューヨークで事件が起こりました。アメリカに次いで、オーストラリアと南アフリカでそれぞれ18件、8件の過去最高被害件数となりました。

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2016/02/05
南アで落ち着く一方生息域に驚異的に広がるサイの密猟
今日、南アフリカでは2007年以来初めてサイの密猟が減少しましたが、この小さな改善は、隣国でのサイの密猟数急増により相殺されてしまっていると、南アフリカが公表しました。

 南アフリカの環境省大臣Edna Molewa氏は、2015年に南アフリカで1175頭のサイが殺されましたが、この数は前年の1215頭よりも少し減少していると述べました。
 しかし、同時期にナミビアとジンバブエで少なくとも130頭のサイが殺されており、この数は2014年よりも200%増加しています。

WWFのグローバル・スピーシーズ・プログラムの理事長Carlos Drews氏は以下のように述べました。
「南アフリカでのサイの密猟が7年間の増加の後、減少したことは、政府のリーダーシップと協力してくれた人々のたゆみない努力の結果です。しかし、密猟の数はいまだ信じがたいほど多く、ナミビアとジンバブエでの密猟の急増は深刻な事態となっています。」

 いまだ密猟者は主に南アフリカで密猟を行いますが、ナミビアとジンバブエの数値から、以前は安全とされていた地域にいるサイを狙って、彼らの狩猟域が複数の地域にまたがっていることが示唆されます。
 ナミビアで殺されたサイは、2013年ではたった4頭、2014年では25頭でしたが、2015年には80頭にのぼりました。ジンバブエでは、2015年に50頭が殺され、前年の2倍以上にもなりました。
これら3か国には、アフリカに生息するすべてのサイの95%が生息しています。
 
 「南アフリカやその他の地域にまたがって、サイの角の密売を行う犯罪組織を撲滅するために、警察やその他の法執行機関が協力した国際的な取り組みが何が何でも必要です。モザンビークとベトナムのような、主な輸送経路と消費国には、密売をやめさせ、サイの角や違法な野生動物製品への需要を減らすために、一刻も早く法的処置を執行しなければなりません。」と、WWF南アフリカ・サイプログラム局長のJo Shaw氏は述べました。

 先日、ワシントン条約(CITES)常設委員会は、モザンビークとベトナムに対し、犯罪組織による違法密売を暴露するために、改善された審査や専門調査技術の使用を含め、2016年6月30日までにサイの密猟犯罪を阻止するために行う活動を報告するよう指示しました。

今回の密猟数は、南アフリカ最高裁判所が、政府の国内におけるサイの角売買の早期判定撤廃の上訴を棄却した後に判明しました。

「南アフリカの国際的なサイの角取り引きの再開は、サイの角の違法取引を減らすために、国内取引における規制や罰則などを含む包括的法案と施行管理を取り入れ実行することを、全ての加盟国に要請しているCITES(ワシントン条約)に反することです。またすでに最大限に動いている法の執行機関がサイの角の密売を撲滅させることをより困難にしています。」と、Drews氏は述べました。

 サイの密猟を阻止するには、法の執行だけでなく、保護地域のまわりの地域コミュニティーの関与が必要だと、WWFは訴えています。
 「これらの地域への手の込んだ犯罪組織の侵入は、サイだけではなく、コミュニティー内で生活している人々の安全や持続可能な発展を脅かします。地域コミュニティーは、法執行機関と国際的犯罪組織の争いの中で、ただの手ごまとして存在するだけでなく、自分たちが危険な状態にある野生動物の保護にとって能動的な協力者であると理解すれば、野生動物犯罪に立ち向かうことができるでしょう。」とShaw氏は述べました。

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2016/01/28
ヨーロッパに残るシャチを脅かす残存汚染物質
ヨーロッパの海に生息するシャチは、1980年代に使用が禁止されてもなおまだ残る有毒化学物質のために絶滅の危機にあることが、ロンドン動物学協会(ZSL)国際保全基金の行った調査により判明し、Scientific Repotsという雑誌に掲載されました。

 座礁あるいは生体検査をした、1000頭以上のクジラやイルカ、ネズミイルカなどのクジラ目の長期的な研究に基づく今回の調査により、ヨーロッパに生息するシャチやバンドウイルカ、スジイルカの脂肪から、地球上で最も高い濃度のポリ塩化ビフェニル(PCBs)が検出されました。

 PCBsは、電子機器や難燃剤、塗料などを含む製品に以前使用されていた人工化学物質です。高いPCBs濃度にさらされると、クジラ目の免疫機構は弱くなり、流産または新生児の高い死亡率を引き起こして繁殖成功率が著しく低下することが分かっています。

 この研究の主著者でZSLの動物園施設における野生動物専医であるPaul Jepson博士は、以下のように述べました。
「平均寿命が長く海洋性の捕食動物の中で頂点あるいはその付近にいる、シャチやバンドウイルカのような種は海の食物網を通じて蓄積されたPCBsの影響を特に受けやすいのです。禁止令や環境汚染の初期減少はあったものの、PCBsはいまだヨーロッパのクジラ目を苦しめるほど高い濃度で残っています。
 ヨーロッパ西側の海岸には少数ではありますがシャチが残存しています。この個体群は繁殖成功率がほぼゼロになっており、生存し続けるのが難しい状態です。したがって、個々に繁殖成功率が低く汚染されているため、絶滅のリスクが高いのです。解決策を投じなければ、今後何十年にわたってPCBsはシャチや他のイルカの種の個体数を圧迫し続けるでしょう。」

地中海西側とイベリア半島南西など、ヨーロッパ近海は特に世界的なPCBの「*ホットスポット」になっていることが今回の研究で判明しました。この化学物質の濃度は、産業地域や人口密度の高い都会の中心地付近で高いため、ヨーロッパの水質は脆弱になっています。

共著者のRobin Law氏はこう述べました。「今回の研究は、ヨーロッパの象徴的で重要な海洋性捕食動物たちがいなくなってしまう前に、迅速に行動し、PCBsが残す影響に立ち向かう国際的な政策の必要性を明示しています。また我々は、これらの種の食性において、PCB濃度が高くなる様々な経路をよく理解する必要があります。」

*ホットスポット…汚染物質が大気や海洋などに流出したときに、気象や海流の状態によって生じる、とりわけ汚染物質の残留が多くなる地帯のこと。

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