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動物・環境ニュース

2022/11/18
マッコリー港におけるゴンドウクジラの集団座礁
 環境汚染や地球温暖化による気候変動によって様々な問題が重要視されている中、BBCの記事で、『ゴンドウクジラの集団座礁』に関する記事がありましたので、JWCでもご紹介させていただきます。
 今回の記事では、2020年・2022年の2度に渡ってオーストラリアのマッコリー港で大量のゴンドウクジラが打ち上げられ、多くの命が失われたことについて書かれています。
ゴンドウクジラは非常に社交性の高い哺乳類で、大規模な群れで密になって移動する習性がある為、よく集団座礁する姿が発見されていますが、今回のように2020年には230頭、翌々年と2022年には500頭と、短い期間に同じ場所で大群が打ち上げられたのは異例とも言えます。
 今回の集団座礁について、タスマニア州の海底には緩やかな傾斜があり、ゴンドウクジラの発する超音波の反響で沖にいると勘違いしてしまう為、座礁してしまうのではないかという説も唱えられていますが、はっきりとした要因は分かっていません。
 しかし、ひとつの可能性として、『今回の座礁は、気候変動による環境・水温・獲物の生息地の変化によって引き起こされた可能性が高い』と専門家は語っていました。
 クジラはとても繊細な性格の持ち主で、エコーロケーションという超音波を使って周辺環境を確認したり、獲物の捕食に役立てる為、少しの環境の変化にも非常に敏感な動物であると言えます。その為、今回打ち上げられた港周辺の環境や海域に変動があったのであれば、クジラがそれに影響された可能性は十分に考えられます。

 私達の生活が豊かになる一方で、環境問題は刻一刻と深刻化し、関係のない動物たちが犠牲となっている現状があります。しかし、今、このような動物たちを救うことができるのも私達人間です。この同じ地球という場所で存在しているからには、彼らを敬い、尊重し、本当の意味での共存が実現する未来がくることを願うばかりです。

情報提供者:とんきち



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