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動物・環境ニュース

2021/06/25
野生動物の国際取引と国の所得格差
 現在、皮肉なことに新型コロナウイルスの蔓延により、野生動物の国際取引が減少する見込みがあると考えられています。それについても、Liew氏は、『もとの状態に戻らないようにするためには、人々がもつ、野生動物を消費することで起こりうる影響に対する認識を利用して、野生動物の需要を減らす必要があります。そして、中国での野生動物の取引禁止を恒久的なものにするのです』と記事の中で語っていました。

 『Science Advances』誌に掲載された今回の研究では、1998年から2018年の間、国際貿易網の拡大は、貧富の差に開きがある国の間で多く起こっていたことがわかりました。
 野生動物商品の最大の輸出国となっていたのは、インドネシア、ジャマイカ、ホンジュラスであった一方、最大の輸入国はアメリカで、大きく間を空けて2位がフランス、3位がイタリアとなっています。
 NGO団体のTraffic(トラフィック)が発表した調査報告によれば、2006年から2015年の間のアフリカ圏からアジア圏への輸出だけをみても、130万もの生きた動植物や150万もの動物の皮、2,000トンもの食肉が合法的に輸出されていたこともわかっており、その取引の規模が如何に膨大であるかが示されていました。

 今回ご紹介した記事は新型コロナウイルスの蔓延以前の調査報告を掲載している為、それぞれの取引数も2019年度以降は減少している可能性はあります。しかし、根本的な解決に至るまでは険しく長い道のりとなるのではないかと思います。
 香港大学のJia Huan Liew氏が語るように、今後も順調に減少してくれることを願うばかりです。

情報提供者:広瀬 詩織



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