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動物・環境ニュース

2020/01/29
オーストラリアの森林火災:自然保護家によると「全ての種が大火災により絶滅してしまうかもしれない」
国内在住、学生のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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“Australia wildfires: Entire species may have been wiped out by inferno, conservationists say” The Independent U.K.
オーストラリアの森林火災:自然保護家によると「全ての種が大火災により絶滅してしまうかもしれない」
「私たちは火傷で手を失ったカンガルーやコアラを見てきています...とても悲しくなります」と野生動物園のオーナーは話した。

自然保護活動家や野生動物専門家の間では、オーストラリア国内で拡大する「壊滅的な犠牲」を生み出している山火事に対し、全種絶滅の危惧が懸念されている。

専門家は、小型有袋類のスミントプシス属やテリクロオウムは、土地の三分の一もの焼失を招いたカンガルー島の火災により絶滅した可能性があると述べている。

このカンガルー島は、オーストラリアの南海岸側に位置しており、オーストラリアのいわゆるガラパコス島とも呼ばれていたがー現在は「焦土」と化している。

生態学者はスミントプシス属の生き残りを探し出し、「完全絶滅してしまう前に救う」ことを望んでいる。

非営利の Kangaroo Island Land for Wildlifeを運営している生態学者、ハイジ・グロフェンは、ネズミのようなスミントプシス属は体が小さすぎるため山火事の中生き延びるのは厳しく、個体数300匹ほどしか生存していなかったものが絶滅した可能性がある、と述べた。
それでも彼女は、彼らが岩の隙間へ避難した可能性に希望を持っている。

「もし生き延びた個体がいたとしても、現在は食糧がない」「彼らが完全に死んでしまう前に生き残りを捕獲したいと考えている」と話した。

同団体の動物相生態学者、パット・ホジェンスは、The Independent誌に語ったところによると、「 火災初期にして我々は絶滅危惧種にとって必要不可欠な退避地を失ったため、これらの種の生存能力には長期的影響を及ぼすだろう」と述べている。

「カンガルー島のスミントプシス属の絶滅が私たちの1番の心配事であり、スミントプシス属が生息している地域全域が全焼したように見られます。カメラトラップを使って火災被害が及んでいない生息地が残っていないか探しているところです」

ホジェンス氏は、既にチームにより生き残り発見のためのカメラトラップが設置されており、スミントプシス属がまだ生息している可能性のある場所を全てドローン・マッピングにより探したい、と話した。

島では、50,000強ほど生息していたコアラの犠牲も出ており、半数近くものコアラが火災によって死んでしまったと考えられている。

希少なテリクロオウムについては、火災から逃れることができた群れが、生息地としていた島の大部分が灰となってしまった中、彼らの今後はどうなるのか、といった懸念がある。

クイーンズランド大学でこれらの鳥について博士号習得に取り組んでいる自然保護生物学者、ダニエラ・テセラは、「私たちはテリクロオウムの生息にどの程度被害が及んでいるのかはわかりませんが、給餌や繁殖において重要な場所が燃えてしまったことは明らかです。現時点では詳細を待つのみです。」と述べた。

彼女は、これらの鳥は飛ぶことができるため、火災からの避難としては恵まれた状況にあったと考えているが、スミントプシス属と同様にテリクロオウムも食糧不足になるだろうと考えている。

これらの鳥は木麻黄(モクマオウ)という常緑小高木で、木麻黄一種類のみを食料としているが、島の重要な地域は燃え続けている。

ダニエラ・テセラは、保護活動をこれまで25年間慎重に続けてきた結果、テリクロオウムの個体数を150羽から増やすことができたが、この功績はたったの一週間で失われてしまった。

カンガルー島野生動物園の共同所有者であるサム・ミッチェルは、「私たちは火傷で手を失ったカンガルーやコアラを見てきていますー彼らに助かる見込みはないのです。とても悲しいです。」と言った。

「私たちは現地の野生動物のリハビリのためにできることは全てするつもりですが、回復するのには何年もかかるでしょう」、と彼は話した。

カンガルー島の野生動物園では、当初目標としていたA$15,000(1100万円)を大きく上回るA$183,464 (約1400万円)の募金が集まった。

野生動物園では、寄付金は「獣医療費、コアラのミルクや栄養補助剤、そしてこれらの動物を保護するにあたっての物資を保持する建物の設置などに使われる予定だ。」

政府は、全土で約5億もの動物が、火災が始まってから影響を受けたと推測している。

シドニー大学教授、クリス・ディックマンは7Newsに、野生動物の復活には長期間かかると伝えた。

「コアラやその他影響を受けた野生動物を探しに、火災被害を受けた場所へ助けに行く人も多くいます。

長期的な観点で見ると、在来動物の個体数を元の状態まで復元することが課題となるでしょう」と彼は述べた。「多くの動物が今後も火災により悪影響を受けることは確実です」

オーストラリアの環境エネルギー省広報担当者は、「オーストラリア政府環境エネルギー省では既に科学者、州ごとの団体、国立公園運営機関、自然資源管理者や原生地管理者と連携を取って、復興における優先順位の判断や、今後の保護活動に関する計画を進めています」と話した。

「コアラ病院への寄付は既に行われているため、追加の寄付金はコアラの生息地へ送られます。ニューサウスウェールズ州北部の複数の地域では、火災によるコアラ生息地への被害を理解し、回復への最適な選択肢を決定するために、既に調査が始まっています」

また、被害を受けた場所へ関係機関が火災の影響調査へ行く際、調査をするのに安全であると許可が降りるまでの待機期間があったことを追加で述べた。

原文URL;https://www.independent.co.uk/news/world/australasia/australia-wildfires-dunnarts-wildlife-cockatoo-animal-deaths-kangaroo-island-a9270966.html

翻訳ボランティア 大谷碧
追補 JWCスタッフ




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