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動物・環境ニュース

2018/11/22
結核の感染を拡大しかねない牛農家たち!
イギリス在住のボランティアさんよりニュースが届きましたのでご紹介します。
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Farmers who trade in risky cattle ’helping to spread TB  THE TIMES 

 ある科学的調査専門チームによると、貪欲な牛農家たちは、自分の牛たちが結核にすでに感染しているかもしれないという不安を隠しつつ、その牛たちを売買して、更に感染を広めているのではないかと指摘しています。
 イギリスでは、アナグマが牛結核の主感染源であるとされ、毎年多数のアナグマが淘汰されています。
 アナグマの淘汰は、結核感染牛の頭数減少に適度な効果そして実際の効果を表しているが、この結核を撲滅するために、農家はもっと努力が必要であり、危険地域での牛の移動は避けるべきとある報告書が発表されました。
 政府の結核撲滅戦略を評価するその独立審査チームの先導者であるCarles Godfray氏は、牛農家の多くはアナグマを責めているが、大半以上の感染は、アナグマというよりもむしろ牛同士間で引き起こされていると主張しています。
 牛結核はイギリス南西部と西部地方に集中していて、全体のうちの32地域では、4年間、アナグマの淘汰が実施されており、1地域あたり4年間での淘汰費用は1億円と推定されています。
 また、ペットや馬と同じく牛にもマイクロチップを導入することが、動物の追跡の改善と不法売買を防止する上で、不可欠であるとそのチームは主張しています。
 Carles Godfray氏は、アナグマの淘汰の賛成派と反対派との間でかけはなれた相違が存在しており、彼のチームの証拠を基にした解釈は、結核に感染したアナグマの存在は、牛の群れに脅威を与えているのは確かであり、もし淘汰をしない決定が下されるなら、そして、もし非致命的な介入が非効果的であれば、結核撲滅の進展に遅れが出るであろうし、完全な撲滅はより複雑になるであろう。しかしながら、アナグマの淘汰は結核の感染拡大にそれほど大きな影響を及ぼしてはいない。
 2016年に170万頭の牛が、結核危険地域内と危険地域間で移動されており、牛農家は感染の拡大に貢献していると言えるとともに、いくつかの証拠から、農家の中には、次の結核検査で陽性を疑われる牛を売買したり、耳標を健康牛と取り換えて何らかの操作をしていることがうかがえるとそのチームは指摘しています。
 結核高危険地域では、ヨーロッパで実施されている感度の高い結核検査を導入すべきであるとも公言しています。

 全国農家連合のStuart Roberts氏は、結核に取り組むために、我々は得られる全ての方法(例えば、結核検査、移動制限、農場設備、ワクチン等)を実行することが不可欠であるとともに、この報告書をもとに、私たちがこれから何をすべきかを検討していきたいと述べています。
 アナグマ保護団体のDominic Dyer氏は、Charles氏が、その残酷な、高コストの、そして非効率的な淘汰の廃止を主張しなかったものの、Charls氏は、アナグマのワクチン接種が淘汰に代わる有望なものと認識していると述べています。 

 政府は、その報告書を受けて、来年の夏までに更なる対策を公表することとなっています。農政務担当のGeorge Eustice氏は、私たちが牛結核撲滅に専心するものの、明言できることは、その撲滅には単独方法は存在しない、とその複雑さを訴えています。

補足;
イギリスでは、結核の高い危険地域とバッファー地域に限られて、アナグマの注射用BCGワクチンが2014年から4年間の期間で実施されているところです。バッファー地域とは高い危険地域と低い危険地域の境目の地域を言います。それと同時に、アナグマの淘汰も実施されています。しかしながら、2015年に世界的にBCGの不足があり、アナグマのワクチン接種は一時中止になった経緯があります。このワクチン接種の計画実施が軌道に乗れば(良い結果が得られれば)、淘汰に代わって、イギリス全体でアナグマにワクチン接種を実施していく事が期待されます。
また、経口用ワクチンが来年には許可されれば、注射よりももっと効率よく、低いコストでワクチン接種が出来るので、ワクチン接種の需要が更に高まって行く事がさらに期待されます。

イギリス在住翻訳ボランティア 折原美子
追補:折原美子、JWCスタッフ



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