動物・環境ニュース
2017/07/21
石油にさらされた魚は危険な決断をすると研究者が発見
サンゴ礁に住む魚は少量の石油でリスクを伴う行動をするようになってしまう事が新たな研究で分かりました。研究者たちは石油にさらされた魚の反応を中毒症状に例え、その反応が魚の生命を脅かすと言います。
今回の研究は、サンゴ礁に生息する魚たちが石油にさらされた場合、頻繁に開放水域に向かって泳いでいってしまったり、住みかの選別に苦労したり、危険に対する反応が遅くなることを発見しました。
汚染はグレート・バリア・リーフのようなカギとなる環境で魚が生き延びるための能力を害すると筆者は言います。
この国際的な研究は6種の魚が生後3週間の間に石油にさらされた場合どのようなことが起こるのかを観察しました。
その研究者たちいわく、オリンピック用の競技用プールに石油を数滴入れたくらいの量で魚の行動に「劇的な変化」を引き起こします。
共同執筆者であるジェームズクック大学(James Cook University)のJodie Rummer博士は、「石油にさらされた魚は望ましい選択をしていなかった」とBBCに語りました。
「魚たちは開放水域や大量の枯れたサンゴに住むことを選択していました。このような選択によりその魚たちはより捕食者から攻撃されやすくなるでしょう。」
生存への危惧
研究者たちが捕食者からの攻撃をシミュレーションしたところ、その魚は反応が鈍く、適切な方向に動きませんでした。
「この全ての反応は酔っぱらっているようで、奇妙なふるまいです。乏しい選択をしているのです。」とRummer博士は言いました。
Rummer博士はそのような判断は魚の個体数とサンゴ礁地帯の総体的な健康状態を危機にさらすと言います。